大分地麺
新横浜ラーメン博物館のサイトでも大分ラーメンというカテゴリーは紹介されていない。しかし近場には『たまがった』や『麺恋亭』など「大分ラーメン」を名乗る店は多く、むしろ宮崎や鹿児島等より存在は身近に感じていた。更に我の地麺巡りのきっかけとなった本、江口寿史&徳丸真人共著「ラーメン道場やぶり」で大きく取り上げられていたこともあり、いづれは大分に行ってみたいと思っていた。既に1月に難所であった佐伯への訪問は済ませている。その流れで3月に決行するつもりで計画は既に2月に立案済み。しかし直前になって長崎佐賀遠征に差し替えてしまっていた。年度初めに会社から指定するように言われる休暇日を使って本日決行する事にする。いつもの通勤時間と変わらない時間に家を出て、8時前羽田出発の飛行機に搭乗し、大分空港へ到着したのは9時半前。空港連絡バスに乗り大分駅前に到着したのは10時半頃だった。
まず目指したのは大分筆頭の店と言われる『大分丸優ラーメン』本店だ。店主は福岡の『丸八ラーメン』で修行し、この地に平成8年に開業。朝11時に開店し昼1時半頃には閉店するというこだわりのレア店。高城というところにも支店はあるようだが、我は本店格の店を目指す。駅からだと2kmくらい離れているのでまず駅近くの市営駐輪場で自転車を借りる事にした。1日200円。市営の廃棄自転車再活用なのだがレンタサイクル券売機があったのは驚いた。空は雲が多いが薄く青空ものぞく感じで日差しも緩やかでいい塩梅。長袖をまくる必要がないくらいの気温。整備途中のような大きな味気ない道をサイクリング!地図アプリを見ながら約8分程度で目的の店に到着。11時3分前くらいだったが営業しているようだ。早速暖簾を割る。既に先客が1人いる。厨房にはおじさん店主1人と女店員2人。厨房前に一列のカウンター7席と座敷に4人がけテーブル席1卓。後客2人。平日訪問の強みだ。店の奥には巨大羽根釜が設置されている。口頭で注文。入口近くのテーブルから紅生姜、ニンニク等好みのトッピングをセルフで持ってくるシステム。我はお冷とレンゲだけ持ってきた。
『ラーメン並』 550円
基本メニューを注文。替え玉システムは無いが並注文。麺は極細ストレート。具は薬味ネギと薄いチャーシュー2枚とシンプル。胡麻は最初からかかっている。スープの豚骨臭は強烈だが濃度は意外とあっさりしている。1月に宮崎、3月に長崎、佐賀、福岡に行っているので何となく違いはわかっているつもり。このラーメンは宮崎や佐伯はもちろん、小倉や久留米のものとは違う。この極細ストレート麺は明らかに博多ラーメンの系統に属する。大分筆頭の店とは言え、平成8年開店という歴史の浅さは感じてしまう。とはいえ博多ラーメンとしては上位に属する一杯で美味しかった。
再び駅の方に戻るが大回りして出発とは反対側の出口の方へ。次の目的店は『清陽軒本店』。我的には評判の良い店より地元に親しまれている老舗店が優先なのだ。年季の入った黄色いテント屋根にラーメン・チャンポン専門店とある。この店は元々福岡の『清陽軒』の支店として昭和35年開店したという。厨房には男の店員1人とおばちゃん店員1人。おばちゃんがラーメンを作り、男の店員が出前要員のようだ。L字型カウンター5席と2人がけテーブル席2卓、4人がけテーブル席1卓、5人がけテーブル席1卓。口頭で注文。セルフで水とレンゲを取ってくるシステムはこちらも同じ。
『ラーメン』 480円
筆頭基本メニューを注文。麺はもちもちした食感の黄色い中太ストレート。具は薬味ネギ、海苔1枚、スライス茹で玉子2枚、薄く小ぶりのチャーシュー3枚。最初から胡椒がかかっている。この胡椒は大分ラーメンの共通項かもしれない。で、このラーメンの感想なのだが、昔ながらの東京ラーメンの麺や具はそのままに、スープだけを醤油から豚骨にそっくり代えたものに思えた。これは先の『丸優』とは大違い。ようやく大分のラーメンに出会えた気がした。
その後府内城跡という所に行ってみたが、本丸などはとうに無く、ただ堀と城壁が残っているだけで見るべきものは無かった。早々に駅に戻り自転車を返却、別府行きの電車に乗った。
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