京都再訪
ラーメンの食べ歩きをしていると自分の中の箍が外れる音が聞こえる時がある。行列に並び30分以上待っても列を離脱しないと決めた時。或いは暖簾がかかる前に店前に立ち開店を待つ事を決意する時。いずれも以前は「馬鹿じゃないの!」と冷ややかに思っていた行為。でもある時箍が外れる音が聞こえてしまうんだよ。そして飛行機や新幹線を使ってわざわざ遠方にラーメンを食べに行く行為。これは「狂ってる」としか言い様の無い行為だが、これも4年前音が聞こえてしまった。きっかけは江口寿史&徳丸真人共著「ラーメン道場やぶり」という本を読んだ事に始まる。この本を読んで「我も地方にラーメン食べに行きたいぞ」と思ってしまったのだ。そして初めての地麺遠征の地は京都となった。しかしやはり最初の頃の遠征は不慣れなせいか、今考えると取りこぼしも色々あった。よって京都再訪は結構前から行きたいと思っていたのだ。昨年末の岡山遠征を終えて、地麺巡りは最終コーナーを曲がった気がするので、ようやく「再訪」という事も視野に入ってきた。
例年通りなら混雑するのが見えているこの黄金週間の連休は外出しないのだが、思い切って出発する事にした。既に1ヶ月前に新幹線や宿の予約をしたのだが、新幹線の券は取れたものの、宿の予約は困難を極め喫煙室しか取れなかった。しかも連休特別価格で高くついてしまった。
早朝5時半頃に家を出て新横浜6時半発ののぞみに乗る。京都に到着したのは朝8時20分前。この早い時間に京都に到着するようにしたのは他でもない。京都を代表する老舗店の再訪を果たす為だ。今回の遠征の中でも楽しみにしていた。前回は京都駅内で迷ってしまったが、今回はipodの地図アプリであまり迷わず店に到着出来た。老舗店が仲良く並んで早朝営業している。本日は『第一旭』を選択。前回訪問時、最後の店にしてしまった為満腹状態で味もよくわかっていなかった事が悔やまれたからだ。昭和28年洋食屋『旭食堂』として創業し、ラーメン専門店になったのは3年後の昭和31年。京都の老舗というだけではなく、『神戸第一旭』や『尾張第一旭』等他の地方に影響を与えた店としても重要な店なのだ。早速入店。いきなり空席待ちの先客の背中があった。3分程度の待ちで着席出来た。厨房には男の店員ばかり4人。厨房前に一列3席のカウンター席、2人がけテーブル席1卓と4人がけテーブル席6卓。口頭で注文。後客続々。
『ラーメン(麺かたいめ・ネギ多め)』 650円
前回情けない事に満腹でミニを注文してしまったので、今回こそ念願のレギュラーサイズ、麺かため、ネギ多めで注文。麺は中太ストレート。具は九条ねぎのきざみがどっさり。その下にはもやしとメンマ、更にその下には豚バラ肉が6枚。隣の『新福菜館』より色が薄い為あっさりした印象を受けてしまいがちだが、実際は醤油のしょっぱさもほどよく効いた濃口醤油味だという事が判った。九条ネギのシャキシャキ感が京都だなぁと感じた。満足。
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