極限濃度
平城京跡から野原をまわって徒歩で今回の旅唯一の奈良の目的店『まりお流』にやって来た。この店は創作ラーメン店の中でも全国的に有名な店。特に有名なのが超濃厚豚骨ラーメンで、その価格もメニューのほとんどが千円を超えるものばかり。その中でも「自然界でこれ以上濃いラーメンを作るのは不可能です」という謳い文句で、最強の濃度レベル20という、その名も『富士山』というメニューが存在する。価格も並で2100円という凶悪なもの。しかし全国を食べ歩いている我からすればこれは体験しておきたかった。元々創作ラーメン店であるので、一般的なメニューを注文する方が逆におかしい。せっかくこの店に来たのであればこれを試すしかないだろう。一体どんな味がして食後どうなってしまうのだろうか?興味がある。
店に到着したのは開店予定の40分前。流石に早過ぎた。店前に待ち席などないから立って待っているのは辛かった。開店15分前くらいになるとようやく後客が並び始めた。その待っている間に店のメニューを見ていると驚くべきものが目に飛び込んできた。何と自然界で濃度を超えるものを作るのは不可能とされていた『富士山』のメニュー。その横に何と『富士山を超える』濃度25を示す、その名も「チョモランマ」というメニューが書かれていたのだ。チーズたっぷりと書かれているのでチーズがプラスされたのか?我はチーズが好きだし、チーズが入ったラーメンは好きなのでそれを頼むのは問題は無い。但し未知の濃度に対応出来るのかに一抹の不安はあった。それにしても一杯2520円という値段は我の食べ歩き経験の中でも初めてだ。また箍が外れる音が聞こえた。
いよいよ開店となりカウンター一番奥の席に通された。カウンター6席、テーブル12席、座敷24席。店員は店主を含め男ばかり6人。店員が注文をとりにくるのを待っていたら、後客が先に注文し始めた。これでは早く来た意味が無いではないか!急いで口頭で注文した。水とおしぼりはセルフで取りに行くシステム。
『チョモランマ 並』 2520円
巨大な丼で登場。撮影している間でもどんどんスープ表面に油膜が生じているのが判った。よって一番最初に撮った写真を掲載する。麺はやや縮れのある太麺。具は九条ねぎのきざみ、太メンマ数本、味玉丸1個、レア加減の2つ折りにされた巨大チャーシュー3枚。そして問題のゲル状の濃厚スープ。店HPを後日見てみると「チョモランマ」は「富士山」に大量のパルメザンチーズを投入し煮ただけとある。果たして味はどうだったか?これがつまらない表現になってしまうが、見た目通りチーズクリームホワイトシチューなんだよ。味も食感も。但し食べた後鼻に抜ける匂いが、豚骨臭を感じる。これは濃度が増しても味的には逆にチーズに助けられている。「富士山」のままだとかなりキツイものだったのではないかな?結果的にシチューに麺と具を投入したラーメンという事で難なく食す事が出来た。支払い時貰ったチョモランマと記された領収書は大切にとっておく事にしよう。
店からちょっと距離がある最寄りのバス停まで小走りした。あらかじめ調べておいたバス発車予定時刻まであまり余裕がないからだ。無事バスに乗車し近鉄奈良駅まで戻る事が出来た。コインロッカーから荷物を出して特急に乗って京都まで戻った。
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