長崎地麺
本日有給休暇を使って長崎&佐賀遠征プラス福岡再訪を含む1泊2日の九州遠征へ出発する。先月宮崎へ行ったばかりで何なのだが、この時期北の方には行きたくない。今年は特に豪雪だと聞くし。自然と南の地へ目が行く事になる。福岡では一昨日桜の開花があったそうだ。天気予報によると2日間とも晴れ。朝5時半過ぎに家を出て羽田空港へ。7時35分出発の飛行機に乗り、9時40分には長崎空港に到着。連絡バスで長崎観光の中心部、長崎新地という場所で下車したのは10時半過ぎだった。予報通り快晴。長崎は今日は晴れだった。気温は横浜と変わらずですこし肌寒かった。近くのホテルで路面電車の一日乗車券を購入。路面電車に乗る前に付近に出島があるというので行ってみた。今では島ではなく周りは埋め立てられすっかり街の一角になっていた。歴史ある洋風な建物をみて長崎にやって来た気分が盛り上がってきたところで路面電車に乗車。築町から大浦天主堂下まで向かう。
長崎の麺料理と言えば「ちゃんぽん」。ちゃんぽんは元々は「支那うどん」と呼ばれ、ラーメンではないが九州豚骨ラーメンに大きな影響を与えた麺料理だ。昔の苦学生の為に安くてボリュームのある食べ物を…という事で作られたとか。長崎に来て食べないわけにはいかない。その元祖の店が『四海楼』。明治32年創業。異風を誇る5階建ての巨大な店舗で1階は土産物売り場、2階がちょっとしたちゃんぽん博物館になっている。3,4階は個室や貸切用大広間になっているので実質5階だけが食事スペースとなっている。開店5分前だがエレベーターで5階に行くとテーブル席のみ95席ある大きな展望レストランとなっており、すでに先客が席に座っていた。早く来れたので長崎港を一望出来る窓側のテーブル席に案内してくれた。口頭で注文。後客は続々来店しすぐ7割の席は埋まった。
いよいよ元祖ちゃんぽん登場。美味そうである。麺は丸く白いちゃんぽん麺。具はキャベツ、玉ネギ、もやし、かまぼこ、ちくわ、きくらげ、あさり、海老、ゲソ、豚肉とボリューム満点。さらに頂点部には錦糸玉子が彩を添える。スープは鶏ガラ豚骨のちゃんぽん独特のスープ。…今書いていて、我はちゃんぽんを、冷凍食品か『リンガーハット』でしか食べた事がない事が判明。従って比較するのは『リンガーハット』しかない。味の基本は同じだが、あちらは時々スパイシーな味がする。化調が露骨に出たのだと思う。『四海楼』の方はそれがなく、魚介の甘味のみ。まろやか。遠征一杯目なのに箸とレンゲが止まらなくなってしまった。長崎を代表する地麺、それも元祖の味を体験出来て満足だ。
店を出て目の前の坂を登るとすぐに大浦天主堂、さらにその上にグラバー園があるので行ってみる事にした。天気もいいしせっかくここまで来て行かない手はない。入園料600円だが入ってみる事にした。この時期花壇も花が綺麗に咲き快晴でしかも平日のため人もまばら。来てよかった。
グラバー園を出た時刻は12時10分過ぎ。そこで「あっ佐賀行きの特急電車が出るまで1時間ちょっとしかない!」という事に気がづいた。計画ではこの後長崎で2店のラーメン店を訪問する予定だが、これは厳しい状況ではないか?急いで坂を降りて、おっとっとっと忘れていた、五三焼カステラを土産で買い路面電車に乗車、思案橋へと向かった。
長崎では、このちゃんぽんの存在感があまりに大きすぎ、これよりボリュームも少なくインパクトも弱いラーメンは異端に思われたようであまり土着の進化はしなかったようだ。そんな中でも昭和36年屋台から始まったという長崎を代表する老舗ラーメン店『思案橋ラーメン』が次の目的店となる。長崎電気軌道思案橋駅で下車して徒歩1分ほどの所に店はあった。店の近くに近寄っただけでも猛烈な豚骨臭がする。看板や屋根に「ちゃんぽん・皿うどん」の文字がある。やはりこの地でラーメン1本で長年やっていくのは難しい事なのだろう。厨房にはおじさんと若い男とおばさん3人。一列のカウンター15席と2人がけテーブル2卓と4人がけテーブル1席。先客6人後客1人。口頭で注文。
この店の看板メニューは生ニンニクが加わった「バクダンラーメン」らしいのでそれと迷ったが、基本の味を知りたい気持ちが強いので筆頭基本のラーメンを注文。麺は中細ストレート。胡麻と紅生姜が最初から入っているのが印象的。薬味ネギ、細メンマ、チャーシュー2枚も入っている。スープは豚骨ベースで鶏ガラを加えている。猛烈な豚骨臭なのにスープはあっさり。でも味は薄いわけではなくしっかりしている。鶏ガラが強く出ているのかな?博多とは大分違うラーメンに出会えて満足した。
店を出て浜町マーケットというアーケード商店街を抜け川を渡り路地を抜け坂を上がる。何しろ時間が迫っているのだ。ipodの地図アプリを活用し次の店へ向かう。
ラーメンで最近よく使われるようになった焼きあご(飛魚)は長崎県平戸の名産品。この焼きあごを用いたラーメン店が近くにあるというので行ってみる事にした。他の老舗店を差し置いて比較的新しいこの店を選んだのは、いかにも長崎らしいご当地ラーメンの広まりを期待しての事。厨房にはおじさんと若い男の2人、おばさん1人。家族かな?カウンター6席と2人がけテーブル席2卓、4人がけテーブル席1卓。先客3人後客3人。口頭で注文。メニューをみるとラーメン以外もありラーメン定食店みたいな感じだ。
『あごだしラーメン』 680円
麺は自家製の白い中細縮れ麺。具はかいわれ、揚げネギ、平メンマ、有明海苔1枚、半分に切られた味玉、チャーシュー2枚。平戸特産の焼きアゴ(トビウオ)や煮干しなどの魚介系と豚肉や鶏ガラの動物系の出汁を合わせたWスープらしい。首都圏でよく出会う魚介醤油系ラーメンではあるがさっぱりして美味しかった。長崎ラーメンのもうひとつの一面も体験出来て満足した。
電車の出発時刻まであと20分弱。急いで坂を下り桜町という路面電車の駅へ向かう。ちょうど電車が止まっていて信号待ちしている。急いで駅へ走りドアを開けてもらい飛び乗った。車内で息を整えていると次の駅が長崎駅前だった。陸橋を渡り駅に入りみどりの窓口に向かう。切符を買って3分後に出発の電車に無事乗る事が出来た。間に合うもんだなぁ。
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