佐伯地麺
大分県南部に位置する佐伯(さえき)市。ここには独特の地ラーメンが存在するという情報を得、ぜひ行ってみたいと思うようになった。色々思案した結果、宮崎遠征にくっつけてしまう事を思いつき、その事で宮崎遠征の計画が逆に見えてきた。本日からの3連休を利用し今年最初の遠征、大分・佐伯&宮崎1泊2日の旅へ出発した。
早朝4時半に家を出て横浜からリムジンバスに乗り羽田空港へ。6時20分発の飛行機に乗り宮崎空港に到着したのは8時半前。雲は多いが青空がのぞくまずまずの天気。しかしながら佐伯に向かう電車の出発まで1時間弱もあるので空港内の土産物店を下見して待った。ようやく出発時間になったのでJRの駅に向かい特急にちりんに乗車。直線距離にして熊本-鹿児島間とほぼ同じ距離なので3時間もの長い電車での旅路となる。到着までの間、「レンタサイクルがちゃんと借りられるだろうか?」等とこれからの食べ歩きの計画がそのまま遂行出来るのか不安になってしまった。ようやく到着した佐伯駅の改札でレンタサイクルがどこで借りられるか聞いたが知らないと言われ観光案内所の場所を教えてもらった。観光案内所は駅に隣接されていた。近づくとガラス窓越しに自転車が数台置かれているのが見えて一安心。早速借用の手続きをしてレンタサイクルを借りる。3時間300円。一安心といきたいがまだまだ油断ならない。今回の旅はいづれも目的店が駅からかなり離れているのが特徴で、プラス電車の本数が少ないので滞在時間が限られる。佐伯も次の1時過ぎに出る電車を乗り過ごすと何と5時近くまで電車に乗れないという恐怖がつきまとう。是が非でも1時前には駅に戻ってこなくてはならないのだ。ipod地図アプリを頼りに国道217号線沿いにひたすら西へと走る。港町なのに比較的平地が多かったので楽に進めた。約15分ほど、大通りから一本路地に入ったところの脇にようやく最初の目的店、創業44年を誇る佐伯一の老舗『藤原来々軒』へ到着。内外装共に昭和の雰囲気が漂う、昔懐かしいスタイルの店舗だ。引き戸をあけ入店するとL字型カウンター8席のみの小さな店内。厨房には若い男の店主とおばさんの2人。先客5人後客3人。店主は常連客と世間話をしている緩い雰囲気。口頭で注文。
『ラーメン』 500円
筆頭基本メニューを注文。当然だが豚骨醤油。他に醤油、味噌、バター、カレーと意外とメニュー豊富。ちなみに来月から全メニュー100円づつ値上げという知らせが卓上に貼られていた。普通の豚骨ラーメンを想像していたら麺が中太麺だったので驚いた。具は薬味ネギ、もやし、脂身の多いチャーシュー2枚。スープはあっさりした豚骨スープだが、噂通り油多め。そしてニンニクパウダーと胡椒が最初からかかっている。明らかに福岡とは違う一杯に出会えて満足。
『藤原来々軒』から更に住宅街の方に自転車を走らせること2分弱程度で、佐伯を代表するラーメン店『香蘭(こうらん)』へ到着。この店は佐伯遠征の必須目的店だが営業が不規則と言われていたので暖簾がかかっているのを見てホッとした。こちらも昔ながらのラーメン店といった感じで遠征している事を実感出来た。厨房には老夫婦2人。L字型カウンター10席、4人がけテーブル席1卓。先客5人後客7人。口頭で注文。ネット上で店主夫婦の愛想が悪いという事が書かれていたが、実際はそんな事は無く、注文のタイミングが調理中だと聞き取れないというだけのようだ。
こちらはラーメンとチャーシューメン、各々の大盛りがあるだけ。麺はストレート中太麺、薄い豚骨スープに油たっぷり、ニンニクガツン、醤油ダレがしょっぱい、胡麻がかかっている、もやしがのっている。佐伯ラーメンの条件を全て満たしている。先の『藤原来々軒』に比べても油が多くしょっぱい。胡麻もたっぷり。佐伯港で働く肉体労働者の為に塩味と油分が増したとい言われる。定冠詞付の佐伯ラーメンを食する事が出来て満足した。
『香蘭』を出たのが12時20分頃。まだまだ余裕がある。計画外の3店目を食する事も出来る。駅の方向へ少し戻り中央通りを少し脇に入ったところに2011年5月28日に開店した、何と渡辺寿庵プロデュースの店『麺屋初代たけつぐ』、更に『らーめん堂 楽天』という店を各々入り口まで歩を進めたが…これからの事を考え踏みとどまった。この判断は正しかったと思っている。余裕をもって駅に戻って無事電車に乗る事が出来た。
コメント