岡山松系
岡山地麺探訪の旅はまだ続く。岡山には「松系」と呼ばれる独自の系統がある。岡山ラーメンの基本形である豚骨醤油を引き継いではいるが、数種類の野菜、りんご、蜂蜜、数々のスパイスを入れているという独自のスタイルを築いているという。県南部に数店存在し屋号に「松」や「仙」の文字が入るのが特徴。我はこういう独自の系統を名乗るものに弱い。今回の遠征で実は一番楽しみにしていたのだ。よって松系の有名店をはしごする事にした。
ちょうど先の『らーめん茶屋』から車で5分程度の所に、松系の中でも有名店である『仙助』があるので行ってみた。ファミレスのような店構え。入口にはメニューサンプルがガラスのケースに入っている。早速暖簾を割る。厨房には男の店員4人女の店員2人。厨房前に一列5席のカウンター席と4人がけテーブル席5卓、座敷に4人席4卓。2時という時間にも関わらず7割の席は埋まっていてその後も来客続々。噂通りの人気店だ。カウンター席に着席し口頭で注文。
『中華そば(小)』 500円
4杯目で次もあるので小にしておいた。純粋に松系の味を知りたかったからだ。麺は中細ストレート麺。具は薬味ネギと小さめのバラ肉チャーシュー。スープは見かけは乳化の強いミルクコーヒーを彷彿させるような色の豚骨醤油スープ。蜂蜜や林檎が入っているというので甘味があるのかとちょっと期待していたら、味は何と味噌、札幌味噌ラーメンのスープとほぼ同じに感じた。味噌のようなしょっぱさや辛さも感じた。各種スパイスが入っているのでそれが複雑に絡み合って結局味噌のような味になったのかは謎なのだが。これはちょっと意外な感じだった。他のメニューはトンカツだけではなく、唐揚げ、天ぷら、ギョーザ等揚げ物オールキャストのトッピングメニューでこちらも驚いた。
更に南下して30分ほどで岡山市内に入り、その郊外、山間部にある『玉松』にやって来た。この店こそ「松系」総本山なのだ。屋号に反して洋風の建物だ。『横濱家』をもっとリッチにした感じ。創業は昭和50年頃と意外と歴史は浅い。でも店入口には「元祖岡山ラーメン」と書かれている。これは言い過ぎだとは思うが、オリジナルの味を創造したのは評価に値する。早速入店。厨房には男の店員3人と女の店員1人。意外と若い店員ばかりだった。店内は広々としていて厨房前に一列6席のカウンター席、4人がけテーブル席4卓と14人がけテーブル席1卓、座敷は6人テーブルが4卓。先客8人後客3人。口頭で注文。
筆頭基本メニューを注文。こちらもトッピングのほとんどが揚げ物だ。麺は中細ストレート。具は薬味ネギともやし、メンマ数本と脂身の多いバラチャーシュー。こちらは味噌という感じではなく醤油の味が濃く出ていた。でも岡山の醤油?なので風味がこちらと違うわけで、それが独特の味わいになっているのかも知れない。同じ松系でもこれほど味に違いがあるとは。更に松系の謎が深まった感じだが、この総本山の味が松系なのだろう。
とりあえずドライブはこれまで。岡山駅前に3時半頃到着し車を返却した。無事に返車出来安堵感に包まれた。
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