尾道地麺
広島遠征2日目。今日は広島市を離れ県東部へ移動する。空は雲が多いものの晴れて青空が広がる良い天気だ。朝8時過ぎにホテルをチェックアウトし、路面電車に乗り広島駅へ到着。もみじ饅頭等広島の土産を買って山陽本線に乗る。広島の山間部を縫うように進む。山の緑と陽光が夏を感じさせる。広島から約1時間半くらいで約5年ぶりとなる尾道に到着した。もう日差しが強すぎて陽が当たるところを歩くと危険を感じるほどだ。5年前は観光がメインで尾道の坂道をほぼ半日かけて回ったものだが、今日は地麺シリーズとして再訪。駅コインロッカーに荷物を預け身軽になって出発する。目指すは尾道筆頭『朱華園(しゅうかえん)』。5年前にも訪れているが、ここは外すわけにはいかない。福山に支店もあるようだ。駅から1km以上離れていて結構歩いたがアーケード型商店街を抜けて来たので強い日差しに当たらずにすんで来れた。到着したのは開店予定時間の20分くらい前だが、既に客は店に入っていた。入口で注文しプラ板食券を貰う。5年前から60円値上げされていた。11番だった。厨房は奥にあり見えない。水はセルフで貰う。厨房前に6席、壁側に12席のカウンター席。4人がけテーブル席2卓。来客は続々とありほぼ全ての席が埋まった。開店予定時刻10分前からラーメンが提供された。
麺は平打ち中太麺。この麺はこの店の中華そばの大きな要素になっている。具は薬味ネギとメンマ数本、脂身のすくない大きなチャーシュー1枚、そして大粒の背脂のミンチだ。この背脂のミンチこそ尾道ラーメンを特徴付けた重要なアイテムだ。こういった個性があるからこそご当地ラーメンとして有名になれたのだ。そしてスープは確かに鶏ガラ主体で節系の出汁は使われていない。基本的にスッキリとした醤油スープで、同じ県内でも西と東ではこれほど違うのかと思った。満足。
『朱華園』から海の方に向かって歩く事2分程度で、次の目的店『つたふじ』に到着出来た。『朱華園』に次ぐ尾道の名店と言われ、こちらも福山に支店を持っているそうだ。有名店のわりにこちらはこじんまりとしている。行列店と聞いていたが店の前には人はいない。暖簾を割り入店。狭い厨房に狭い店内。厨房には老店主夫婦とおばさん店員1人。L字型カウンター11席。先客8人。1人は土産用の注文のみのよう。空いていた席に座る。後客も来て外で待ちが出来ているようだ。危なかった。口頭で注文。
メニューに中華うどんというのがあって気になったが、ここは基本筆頭メニューを注文。目の前で繰り広げられる調理の様子を見ていると面白い事に気付く。こちらでは麺を一旦丼に移してから、客用の丼に小分けにしていた。それからスープを注ぎ具を配置していた。出てきた一杯は『朱華園』と随分違う事に気付かされた。まず麺は四角く黄色い中細縮れ麺。いかにも中華そばといった感じ。具は小さな薬味ネギと細メンマ数本、チャーシュー2枚。こちらのスープは魚介ダシを使っている。背脂は『朱華園』のものに比べるとかなり小ぶりなもの。何と言ってもインパクトがあったのはスープ表面を覆うギトギトの油だ。こんなにこってりした尾道ラーメンに出会ったのは初めてだ。尾道ラーメンにもいろいろあるんだという事を知ることが出来満足だ。
せっかくの尾道だが今回の滞在は1時間半弱。海岸線を横目に駅へと戻った。次は今回の遠征の最終目的地、福山だ。
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