呉地冷麺
今日から一泊二日の広島遠征に旅立つ。先月の兵庫遠征も、先週の北陸遠征も実は各々播州ラーメンと敦賀ラーメンの筆頭店に行くのが目的だった。しかし今回の広島は違う。一般的には広島のご当地ラーメンで有名なのは尾道ラーメンくらいと思われているが、どうしてどうして各地に個性的な地麺を有する。我からすれば山形や新潟に匹敵するご当地ラーメンの密集地帯だ。4市7種の地麺を経験する事こそが今回の目的。既に3週間前に有給休暇を取得し、ホテルやチケットの手配等は北陸遠征よりずっと前に完了していた。準備万端だ。
北陸遠征から帰ってきた2日後に梅雨明け発表があったのだが、残念ながら全国的に空は下り坂の模様。朝5時前に家を出た時は、横浜は雲が立ちこめているが雨は降っていない。6時11分新横浜発ののぞみに乗車。広島には9時48分に到着。ここで呉線安芸路ライナーに乗り換え呉へ到着したのは10時40分頃だ。改札を出ると残念なことに弱い雨が降っていた。仕方なく持参した折りたたみ傘を開く事にする。
駅から歩いて15分弱、商店街の端の辺りに、本日最初の目的店、呉を代表する老舗『モリス』に到着。創業昭和22年。終戦から二年後すでに営業を開始していたという文句のつけようがない老舗店。店舗は奥に長く狭いうなぎの寝床状態。内装は明るい木材を使用している。厨房は入口右脇にある。店主と思しき初老の男とおばさん店員の2人。厨房前に一列のカウンター4席と壁側に一列のカウンター5席。行列店だと聞いていたがさすがに平日の開店直後、先客は1人のみで後客4人。口頭で注文。
筆頭基本メニュー注文。麺は四角く白っぽい色をした中細ストレート。具は刻みネギ、メンマー、小さなチャーシュー2枚。透明なスープは魚介ダシが効いた美味しい塩スープ。イリコ出汁を使っているらしい。関西のうどんのスープのようだが、ちゃんと塩ラーメンのスープでもある。美味しい。食べ終わる直前に卓上の、辛子入りの酢を入れてみる。ラーメンに酢を入れるのが呉の麺文化のようなのだ。味付けとしては悪くないが、元々のスープが美味しいので個人的には必要がないように思えた。遠征一発目から個性あり雰囲気ありの老舗で食べられて大満足だ。
次は呉を代表する地麺、呉冷麺発祥の店『珍来軒』だ。『モリス』とは広い道路を挟んだほぼ向かい側と言っていい。開店予定時刻25分前に到着してしまった。ちょっと早すぎたなぁと思って店に行くと、何と2人が先待ちしていた。それから続々と客が来て、開店直前には15人弱の行列が出来ていた。えっこんなに大人気店だったのか?開店予定時刻3分ほど過ぎて開店。入口で注文して料金先払い。プラ板食券をもらう。厨房は奥にあり見えない。壁向かいにカウンター15席、2人がけテーブル席4卓、4人がけテーブル席5卓。広い客席が初回で全部埋まり待ち客までいた。どんだけ人気店なんだ。
もちろん呉冷麺を小で注文。麺は中太平打麺。具はきゅうりの千切り、半茹で玉子、茹で海老1つ、チャーシュー2枚。甘酸っぱいタレがかかっている。もうまるっきり「冷やし中華」だ。でも2つ小さな違いがある。麺が平打ということと、タレには「酢辛し」という、鷹の爪を甘酢に漬け込んだものを使用している。よって最初の口当たりは冷やし中華と変わらないが、後味が辛い。辛子いらずの冷やし中華といった感じ。即完食した。
『珍来軒』開店を待っている間に雨は上がり、日差しが差してきた。次の目的地はいよいよ広島市内になるが、高速バスを使った方が早いと下調べで判っていたのでバス停に向かう。『珍来軒』を出たのは11時42分くらいで次の呉駅発のバスは52分発車予定。間に合うわけはないのでショートカットモードで次のバス停「体育館前」へ向かう。『珍来軒』からだとほぼ直線で約600mくらい。でもバス停なんて事前調査でも明確に場所が判らなかったので予想をつけて行くしかない。小走りに行って何とかそれらしきバス停に辿り着きバスに乗り込む事が出来た。
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