埼玉地麺
今週末から年末年始にかけて関東一円の地ラーメンを地麺シリーズとして掘り起こす試みを開始する。まずは埼玉。10時19分発の新宿湘南ラインに乗り池袋に出た後、東武東上線に乗り換え上福岡駅で下車。このふじみ野市周辺には「きんぴらラーメン」なる地ラーメンが存在するらしいという情報を得た。埼玉入間は全国でも有数のごぼうの生産地であり、この周辺はごぼうの集積地だったとの事。このごぼうを使って町おこしという事になって考案されたのが「きんぴらラーメン」というわけだ。しかしそれも今や昔の話。結局はあまり定着せず町おこしムードも下火になり、地元の幾つかの中華料理店のメニューの片隅に残っているというのが現状のようだ。そんな「きんぴらラーメン」をメニューに残す店が、駅から徒歩2分くらいの所にある『黄河菜館』だ。ここはラーメン店ではなく純然たる中華料理店。昔ながらの町の中華屋といった店構え。暖簾を割ると、これまた赤を基調としたオーソドックスな内装。狭い店なのに厨房には年配の男3人女2人もいる。赤いテーブルのカウンター6席と4人がけテーブル席3卓。前後客ゼロ。「キンピララーメン」はメニューの麺類欄の下から2番目に書かれていた。口頭で注文。
あっさり醤油ベースのラーメンの上に入間産のごぼうを使ったきんぴらがのっている。麺はもちもちした食感の中太ちぢれ麺。具はメインのきんぴらごぼうの他に薬味ねぎとほうれん草。きんぴらの味付けがスープに溶け込み意外といけるし、胡麻の香ばしさも食欲をそそる、なかなか美味しい一杯だった。だが町おこしの起爆剤としては確かに地味過ぎる。年寄りくさい。
今度は上福岡から朝霞台まで東武線で移動し、北朝霞駅から武蔵野線に乗り変え1駅、西浦和駅で下車。埼玉地ラーメンのひとつ「豆腐ラーメン」。駅から徒歩10分くらい。その考案者が店主を務める『トーフラーメン幸楊』。約5年ぶりの再訪だ。暖簾を割り入店すると活気があって驚いた。前訪問した時の印象は暗かったのでギャップがあったのだ。厨房には男女各2人ずつ計4人。厨房前に一列のカウンター6席と4人がけテーブル席2卓。先客8人後客8人。口頭で注文。
『トーフラーメン』 600円
普通の醤油ラーメンに麻婆豆腐をかけただけに見えるかも知れないが微妙に違う。挽肉と絹ごし豆腐がふんだんに入った餡に辣油だけで味付けしている。豆板醤の類は入っていない。他に薬味ねぎと鶉。値段のわりにボリュームがある。麺を持ち上げる時に餡と共に挽肉も持ち上がるので重いが美味しかった。
西浦和駅に戻って武蔵野線で南浦和で京浜東北線に乗り換えて北浦和で下車。駅から徒歩2分くらい。『娘々』北浦和店だ。埼玉を代表する地ラーメン「スタミナラーメン」を再確認する為、約5年ぶりの再訪だ。行列店のイメージがあったのだが店前に列は無し。これはラッキーと入店すると「今満席だから」と5分ほど足止め。厨房には男の店員4人とおばちゃん店員2人。厨房側に一列6席、壁側に一列12席のカウンター席。口頭で注文。
餃子&ラーメン 娘々 北浦和店 『スタミナラーメン』 400円
一般的な醤油ラーメンに柔らかめに茹でられた中細ちぢれ麺が浮かぶ。その上に薬味ねぎ、 豚挽肉、もやし、ニラ、玉ねぎが入った餡がかかっている。ニンニクと生姜で味付け。結構酸味があり意外とニラの味が目立っていた。学生がおやつ感覚で食べるのが主目的のジャンク感溢れる一杯だった。
駅前のパン屋でパンを買って京浜東北線に乗り帰路についた。
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