讃岐拉麺
香川県は讃岐うどんの地。この強固な麺文化があるからか香川にはこれといった固有のラーメンというのが見当たらない。しかしラーメン通からは「ここだけは行っとけ」という有名店がある。讃岐ラーメンを名乗る『はまんど』だ。11時から3時までのレア営業。しかし更に調査してみると、『はまんど』の隣に『はまんど』店主のご子息が経営している讃岐つけ麺専門店『萬次郎』の存在を知った。営業時間は何と11時から1時45分まで。3時間も営業しないのだ。せっかくの香川遠征、出来ればこのレア2店舗を押さえておきたいところだ。しかし高知須崎の『まゆみの店』を出たのが11時40分頃。まずは厳しいと思わなくてはならない。ところがナビをセットするとギリギリ、本当ギリギリで1時40分頃到着出来る予定が出た。これは希望が出てきたぞ。それでも車の運転に慣れていないので慎重に行かなくてはならない。再び高知自動車道に戻り川之江JCより高松自動車道に入る。さぬき豊中ICで下りて一般道を30分ほど走り、田んぼに囲まれたような立地にある目的店駐車場到着。自分では慎重に走ったつもりだったが何と1時15分頃に到着出来た。奇跡的なドライブだ。まずはメインの『はまんど』…を差し置いて間に合った『萬次郎』へと歩を進める。味のある自然木を使った看板とボロボロの暖簾が目を引く店構え。『はまんど』の旧店舗だったようだ。暖簾を割り入店。入口に券売機。内装は東南アジアっぽい置物が置かれている。厨房にはおばさん2人。L字型カウンター9席。先客4人後客2人。
醤油・超辛・藻塩・濃厚・印度といったバリエーションのあるメニュー。迷ったので筆頭メニューの醤油を注文。つけ汁は薬味ねぎがたくさん入った和風だしの効いたもの。油が加わっているので物足りなさは感じない。そして麺!啜ってみてその食感に驚いた!何これ!って心の中で叫んだ!我は確かにつけ麺は得意な方ではない。でも旧東池袋『大勝軒』や品川の『六厘舎』(閉店)、川越の『頑者』などそれなりにつけ麺の有名店には足を運んだ事がある。そんな我だが今までにこんな麺には遭遇した事がない。初めての食感、はじめての喉越し。何と表現したらよいのだろう。ツルッ!モチッ!って感じだが文字にすると平凡過ぎて当てはまらないな。食べ物で感動するなんて何年ぶりだろうか?さすがは讃岐うどんの香川の地だ。店の薀蓄にも「香川県民は一番麺にうるさい人達。その人達を納得させる事が出来る麺がようやく完成した」と書かれていた。麺だけではない。更に豪華な天ぷらがトッピングされている。じゃこ天、鶏肉天、そして大きなちくわ天。いずれも衣はサクサクしていて中はふわっふわなのだ。絶品だった。食べ終えた後、我にしては珍しく店員に「本当に美味しかったです」と言って店を出た。
さて次は大本命。本丸攻略だ。すぐ裏手にある田舎の納屋のような雰囲気たっぷりの店構え。讃岐うどん王選手権のチャンピオンという肩書をもつ店主が始めた香川筆頭のラーメン店『はまんど』である。以前北久里浜でこの店に影響されたという讃岐らーめん店『麺屋こうじ』を食べた時とても美味しかったのを覚えている。その時からこの店を訪問する事を夢見ていた。早速暖簾を割り入店。入口が2段構えになっていてまず券売機で券を購入。更にもう一つの暖簾を割ると大きな梁のある天井の高い客席、更に奥にはガラス張りの厨房が見える。厨房には店主とおばちゃん店員3人。壁向かいに一列のカウンター6席。向かい合わせで計12席のテーブル席、4人がけテーブル席3卓。先客8人後客5人。
当初「讃岐そば」を注文しようと思ったが、やはり店主イチオシの屋号を冠したメニューを注文。魚介出汁がじんわり効いた塩味のスープには天カスをイメージした背脂が一面に浮いている。うどん用の小麦を使用した中太平打ち麺はかために茹でられて食感はモチッモチッツルッツルッのたまらない食感。具は薬味ねぎ、ナルト、海苔1枚、ハムのようなレアチャーシュー2枚。讃岐うどんのようで讃岐うどんではない、正に香川のご当地ラーメンにふさわしい一杯。いずれ広まってご当地讃岐ラーメンの元祖となる可能性は高い。実に美味しい一杯だった。
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