門司豚骨
門司に住んでいた時代、近所のラーメン店の豚骨臭が強烈で鼻をつまんで店の前を通り過ぎたものだった。ラーメン食べ歩きを始める以前は九州ラーメンがどちらかというと苦手だったのはこの時の経験かもしれない。そんな軽いトラウマを残した店に、数十年後ラーメン好きとして初めて暖簾を割る事になるのは人生判らないものだ。屋号は『珉子(みんず)ラーメン』という。外見は赤いテント屋根の、どこにでもある町の小さな角店のラーメン店だ。ところがサイトで事前調査してみるとやれ伝説だの、幻だのというフレーズが出てくるので驚いた。軽く有名店になっているようだ。開店時間は16時半からというレア度。一応開店予定時間5分前に到着したがまだシャッターは下りたまま。この炎天下の下、何も無いところで開店を待つのは辛かった。しかも予定より5分過ぎてから開店した。狭く小汚い店内でL字型カウンター12席。厨房にはかなりのご高齢と思われる老夫婦2人。すぐ店内は満席となった。口頭で注文。おばあちゃんは注文覚えきれないようで1ロット終えてから次の注文を聞いていた。
『普通ラーメン』 600円
屋号を冠した珉子ラーメンと悩んだけど、どうせ具の違いだろうと普通を注文してしまった。作っている所をみていたら普通と珉子のスープを別に取っていたので違う味だったのかも知れない。ちょっと後悔。ここまで豚骨の連食をしていると臭いはもう判らなくなってきた。麺は極細ストレート。具は青ネギの小分け切りときくらげの細切りともやし、胡麻が大量に入っている。スープはあっさりした豚骨スープ。確かに普通と言えば普通。昔は当たり前だったこんな雰囲気も今では貴重という事で評判なのかな?店主の年齢から考えてこの店の存続も長くないだろう。間に合って良かった。ご子息が戸畑で支店を営業しているとの事。
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