懐古門司
子供の頃に門司に住んでいた事がある。2年弱の短い時間だったが良い友達に出会い楽しい日々を過ごした。子供の頃を思い出す時は必ず門司に住んでいた頃だなぁ。学校が終わったら近くの公園で毎日のように遊んだ。近所の駄菓子やで買い物をしたり、後ろの戸の上山にも登って秘密基地を作ったり、関門トンネルまで自転車で行ったり、小倉まで映画を見に行ったり…。でもそれも数十年前の話だ。断片的な記憶しか残っていないが、思い出の門司へ赴いてみる事にした。小倉から鹿児島本線に乗り1駅、200円也。戸の上山だけは記憶の中と変わらず鎮座している。そこだけが懐かしい。
駅を降りて門司港側に出てみる。港の方は昔工場があったりして立入禁止部分が多かったので全く懐かしさは感じなかったが、見晴らしがよくなっている。工場がなくなったんだな。「門司赤煉瓦プレイス」という赤レンガが立ち並ぶ観光地になっていた。その先には関門海峡が一望できる公園となっており、まるで尾道のようだった。
それから駅の反対側に向かう。かつての生活の場だったところだ。期待して行ったのだが、全くと言っていいほど過去の記憶が出てこない。懐かしいという気持より、見知らぬ土地に来てしまったという気持ちだ。だからまず記憶に残っていると思われる、住んでいた家にまず向かう事にした。そこから位置関係で過去との対比が出来るのではないかと期待したのだ。何とか元住んでいた家の位置まで辿りついたのだが…家はマンションに変わっていた。ただ昔遊んだ公園とか友達の家などはあった。でもやはりあまりにも記憶が残っていないので、どれほど変わったとかは判らすちょっと寂しくなった。門司、もう来る事はないのだろう。いい思い出をありがとうという気持ちになった。
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