福岡豚骨
福岡遠征最終日。今日は福岡市内の有名店を食べ歩く予定。朝9時過ぎにホテルをチェックアウトした。さて出発だ!と思ったら携帯電話がない!急いで部屋に戻ったらユニットバスの入口にあった。危ない危ない。ホテル前のバス停からバスに乗り天神へ。180円。最初の目的店は24時間営業の『一蘭』天神店だ。実際その店の前まで来たのだが一度スルーした。せっかく博多に来たのだから全国の一蘭で唯一「釜だれとんこつ」が食べられる天神西通り店へ行く事にした。こちらの店は10時から開店なので10分ほど待つことになった。開店と同時に入店したのだが先客5人。入口に券売機とお土産用の売店、味集中カウンター35席。店員数は不明。接客は丁寧だった。
『釜だれとんこつラーメン』 790円+『脂解美茶』 200円=990円
いつもとは違う四角い黒い陶器の重箱で登場。チャーシューを煮込んだ際に出る煮汁を応用させたスープは醤油だれが強めに出た豚骨醤油味。麺はねっとり感を感じる一蘭独自の細麺ストレート。具は青ネギの小分け切り、チャーシュー2枚。我は『一風堂』より『一蘭』の方が好きだな。豚骨ラーメン続きだったので脂解美茶というのを買ってみたのだが単なるどくだみ茶だった。
駅に戻り次の店は長浜ラーメンの有名店『名島亭』。場所は東区名島というちょっと郊外にある。まず天神から地下鉄箱崎線直通に乗る。1日乗り放題のエコきっぷ500円を購入し予定通りの発車時刻の電車に乗る。しかし3駅ほど通り過ぎてから異変に気付いた。ホテルの最寄駅を通過したのだ。そう、何故か反対方向の唐津行きに乗ってしまう失態を犯してしまったのだ。急いで下車し反対方向へ向かう電車に乗り直す。地下鉄の終点である貝塚まで乗り、そこから西鉄貝塚線に乗り換え1駅目の名島で下車した。150円也。それにしても今日も太陽光が容赦なく照りつける暑い暑い日だ。駅前の大通りを越えて徒歩5分ほど。到着は開店予定時刻を10分ちょっと過ぎた辺り。既に店前に10人くらいの行列が出来ている。電車を乗り間違えてしまった事が悔まれる。15分くらい待ってようやく入店。一列のカウンター6席と6人がけテーブル席2卓。店員は男2人と女2人。家族経営なのか昔ながらのラーメン店といった雰囲気。遠征食べ歩きはこういう店でなくちゃね。口頭で注文。
まろやかでかつあっさりした豚骨スープだ。『一風堂』『一蘭』とチェーン展開しているような店が続いたのでほっと出来た味。長浜ラーメンとあるが『長浜屋』などとは全然違う。久留米ラーメンをあっさりさせたと言った方が近い気がする。それなりに豚骨濃度はある。麺は極細ストレート。具は青ネギの小分け切りとチャーシュー3枚。際立って何があるわけではないが人気があるのは判る気がする。
次の店は今回の遠征最大の難所といえる『元気一杯』という店だ。いわゆる偏屈な事で有名だがスープは確かに美味しいらしい。徹底的な取材拒否、撮影拒否の店。一見さんもお断りすることがあるという恐るべき店。ブログに発表する事が食べ歩きの目的にもなっている我からすれば無視するべき店なのだが、今回だけは話のネタに行ってみる事にした。駅に戻って再び西鉄貝塚線で貝塚へ。更に地下鉄箱崎線に乗り呉服町という駅で下車する。店には看板も何も出ていないという。住所も基本非公開なのだがネットで調べるうちに判明した。あとはサイトで見た店の写真のみが頼り。駅からかなり距離がある場所に店はあると聞いていたのだが、まずここで迷った。店は下呉服町にあるのだが勘違いして上呉服町という全然見当違いの場所を行ったり来たり探してしまった。ようやく間違いに気付き20分くらい炎天下の中に歩き回り、ついにそれらしい入口を発見する。運を天に任せ恐る恐る引き戸をガラガラと開けると、中から「いらっしゃいませー」と女の店員に言われた。ここで間違いないようだ。夫婦で経営されているようで接客はいたって普通。先客1人後客2人。ともかくここはおとなしくするしかない。口頭で注文しおとなしくしていた。
ラーメンが出されたと同時に「まずスープからどうぞ」と言われた。これか!言われた通りにスープから口をつけないとラーメンを取り上げられるとか。卓上に置いてある高菜も先に食べると店を追い出されるという噂もある。もしそれが事実ならお前らそんな事やってて幸せか?って言いたいけどね。ともかくこの泡立ったスープをひとくち。確かに濃厚でやや甘みすら感じる、たとえるならクラムチャウダーのような感じか?でも豚骨スープだ。麺はいたって普通の極細ストレート麺。具は青ネギの小分け切りとチャーシュー2枚。確かにスープは濃厚だったと思う。でもこんな精神状態で美味しいと思えないだろう。ともかく話のネタで無事食べれて帰還出来た事でほっとした。
呉服町の駅に戻ってきたがかなり疲れたぞ。ヘトヘトだ。一度天神に出た後、七隅線という地下鉄に乗る為天神駅地下街を10分近く徒歩で移動。何でこんなに離れているんだよ。天神南駅から地下鉄で20分、賀茂という駅で下車。地上に出たら高速道路の下で、周りはのっぺりとした田舎。畑もちらほらある。横浜で言うと市営地下鉄グリーンラインみたいなものなんだろうな。かなりの郊外で、山々も近くに見える。駅から10分ほど歩いて目的の店『ふくちゃんラーメン』田隅本店に到着。ちょっと前までラー博に出店していた店の本店だ。店の前には駐車場があり、外には席待ち客が6人、と思ったら後からやってきて8人。20分ほど待ってようやく店内に、一列8席のカウンターの一番隅、黒い招き猫が置いてある席に案内された。他に6人がけテーブル席2卓。男の店員3人女の店員2人。口頭で注文。
『ラーメン(バリカタ)』 550円
豚の頭骨からのみとるというスープはコクはあるがあっさりしていた。麺は極細ストレート。具は薬味ネギとチャーシュー2枚。むー悪い印象は全くないけどこれといったものがない普通の豚骨ラーメン。博多クラッシックスタイルのラーメンと言った感じ。良心的な店であることは確か。それが何よりではないだろうか。
再び地下鉄に乗り終点のひとつ手前の渡辺通という駅で下車。博多の中心地に近いと思われるが何故か更地が多い。そこから徒歩10分くらいで目的の店。次の店は『博多だるま』という。『秀ちゃんラーメン』の姉妹店でこちらが大元の店のようだ。今回の福岡遠征もいよいよ大詰めだ。側面が透明なトタンで覆ってある屋台を模した店構え。入口に8人くらいの若者がたむろしている。並ばずたむろしているのは紛らわしくてかなわない。一応店の中に入ると若い店員から「ただいまお待ちしてもらっているお客様がいるので少々お待ち下さい。」という答え。じゃあ仕方なく待つけど並ばないでいいの?後客がどんどん来ているのに。結果的にすぐ店に案内してもらったからいいけどさ。一列13席のカウンター席と2人がけテーブル席3卓と4人がけテーブル席3卓。店員は男4人と女2人だが、いずれも「バイトなんじゃないか?」と心配になるほど皆若い。老舗有名店というオーラは皆無。そして客層まで若者ばかり。何だか拍子抜けだな。口頭で注文。
基本のラーメンを注文。すぐ提供された。ほぼ『秀ちゃんラーメン』と一緒だが豚骨濃度が薄く、博多ラーメンというより背脂チャッチャ系に分類した方がいいのではと思ってしまった。麺は極細ストレート。具は薬味ネギときくらげの細切り、チャーシュー2枚。なんだか油まみれで味が判りづらい。店の雰囲気込みでどうも好きになれなかった。
さて最後のトリは歴史のあるオーソドックスな博多ラーメンを食べたいという事で、4年ぶりの再訪になるが『赤のれん節ちゃんラーメン』にしようと西鉄福岡駅方面に歩いた。すると何だか様子がおかしい。あれ?営業していない。定休日は日曜のはずなのに祝日の今日もお休みか。しかも改装したのか4年前とはだいぶ様子が違っていた。残念だが過去一度行っているからいいかと諦めた。代替の店をどこにしようか迷った。付近で有名店といえば『博多五行』という一風堂系列の店だ。実際店の前まで行ってい見たのだが、料亭のような店構えでとても入りづらく、こんな雰囲気では『節ちゃんラーメン』に望んでいたものと対局になり、今回の福岡遠征の大トリにはふさわしくないと思って入店しなかった。仕方ない、もう十分福岡のラーメンは味わったからこれで打ち止めにするか。そう思い空港行きの地下鉄に乗る為天神の地下街を歩いた。そこで思い出したのが午前中急きょ予定を変更し行かなかった『一蘭』天神店の事だ。遠征のトリに全国展開している店に行くのは忍びないが背に腹は代えられない。行ったところ何と先客1人が空席待ちしてた。この猛暑の中外で待つのは辛い。5分ほどして先客が数名出てきたので入店してしまった。
いつもの一蘭。本場で食べ歩いていると一蘭のラーメンは一般的な博多豚骨とは違う事が判る。醤油ダレが強めにでていて豚骨醤油ラーメンのように感じてしまう。一蘭の麺はねっとりとして好きだ。
福岡市・久留米市・北九州市の3市をまたいで計23店、その全てが豚骨ラーメンという豚骨づくめの3日間の福岡遠征。最初は博多ラーメンだから連食は楽だろうなどと高をくくっていたが、実際はこの炎天下の中、汗まみれ、豚骨臭まみれでひたすら豚骨ラーメンを食べ続けるというのは苦行に近いものがあった。豚骨地獄と言っていい。でも当初の目的である三大ご当地ラーメン最後の一角の主だった店をほぼ巡れたので大満足だ。
17時過ぎ、地下鉄空港線に乗り福岡空港に向かった。明太子等のお土産を買って飛行機に乗ったのは17時前。20時半前には羽田に到着。帰宅出来たのは22時過ぎだった。
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