築地朝麺
先週に引き続き「トーキョーノスタルジックラーメン」にある懐かしさを感じる東京ラーメン巡り。今日の目的地は築地。ここにも数店ラーメン店はあるが、市場に働く人に合わせて早朝に開店し昼過ぎには店を閉める店が多い。よって我も朝7時過ぎには家を出て横浜から東海道線に乗り新橋に出て、銀座線で銀座へ、日比谷線に乗り換え築地へと向かった。到着は朝8時過ぎ。我にとっても初めての築地体験。何はともあれ最初の店『井上』へ向かう。1966年から営業をしている。歴史を感じる黒地に金の文字で屋号が書かれた看板が目印。店といっても席は無く立ち喰い。一坪程度の厨房の中でおっさん2人が忙しそうにラーメンを量産している感じ。店の前には行列が無くなる事はなく、並んでいると接客係の若い男が注文を聞きに来る。注文といってもメニューは中華そばひとつ。数を聞きに来るだけ。ひとつに決まってんだろ!と思うも築地で働く人達が仲間で来る事が多いのだろう。口頭で注文。
今日は真夏日だからだろうか、ヤクルトが1本サービスに付いた。こういうのは嬉しい。隣に立ち喰いスペースがありそちらへ移動。麦茶もセルフで飲める。豚骨鶏ガラベースのあっさり醤油スープ。柔らかめに茹でられたちぢれ細麺。しょうが焼きに使うようなロースチャーシューが5枚も入っている。平べったい大きめのメンマかいわれと薬味ネギが添えられる。夏の朝の賑やかな路上でワシワシと食べる。実際の味以上にこのロケーションで食べる事自体が美味しさを加速させられた感じだ。
間髪入れずにもう一店はしご。同じ大通りに面した通りを更に進むと2店目の『若葉』発見。創業1955年。こちらも小さな店でほとんど立ち喰いと変わらないが店の前に3席だけイスが設置されている。後は通行人の邪魔にならないような路肩に簡易テーブルが設置されている。ラーメン待ちの列に並ぶ。厨房には老夫婦。暑くて大変そうだ。口頭で注文。運良くその店の前の3席に座る事が出来た。
豚骨と野菜から取ったスープは『井上』よりも醤油味がやや濃い。麺も極細と言っていいちぢれ麺でよくスープを持ち上げる。でもちょっと柔らかすぎるかな。薬味ネギ、メンマ、チャーシュー1枚。こちらもシンプルだ。
一気に連食してしまった後は初体験の築地をゆっくり散歩。こちらは場外市場といって実際の卸売とは別な感じで魚屋や乾物、刃物などのレトロ感漂う店がひしめき合うように密集している。外国人観光客も多い。活気があって面白い町だ。本来なら寿司でも食べるような気分なのだが、またしても老舗ラーメン店へ三度入店。屋号は『幸軒(さいわいけん)』という。こちらは入り組んだ市場の中の更に奥まったところにあり見つけづらい立地。今までの店とは違いちゃんと席がある少々煤けた老舗の中華料理店だ。煙草の吸殻や新聞などが無造作に置かれていてまともな飲食店ではない事が判る。市場の働く人が合間に休みに来る店のようだ。厨房には店主ひとりで後から奥さんが出前の注文を受けてきたようだ。先客一人に後客一人。共に常連らしく世間話に華が咲いていた。こういう空間は居辛いよな。口頭で注文。
今までの2店のものとは一線を画す豚骨と牛骨からとるスープはかなり醤油の味が濃い。麺はかために茹でられた中太ちぢれ麺。具はメンマ、絹さや、薬味ネギ、脂身の多い甘い味付けの小ぶりのチャーシューが2枚。先2店と比較すればはっきりした味なので、こちらは若い人にもうける味。美味しかった。
先週土曜はは昼夜無理しすぎたので今日は午後ゆっくり昼寝でもして骨休みをしよう。早起きは三文の徳。
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