永福大勝
大勝軒。それは4系統存在する。最も有名なのがもりそばで有名な『東池袋大勝軒』の系統。その総本山たる『東池袋大勝軒』へは昨年2月、閉店間際に行った。その源流たる『中野大勝軒』には2年前の1月に、更にその源流たる荻窪の『丸長』には昨年夏に行っている。一番マイナーな中華料理屋の『人形町大勝軒』にも同じく昨年夏に行っている。ところが『東池袋』系と双璧である『永福町大勝軒』には何故か今まで行かなかった。系統を探るのを食べ歩きの楽しみの一つにしている我がである。今更ながらなるべく早く訪れてみたいと思っていた。いろいろ考えた結果金曜日会社の帰りに強引に行ってしまえれば理想かなと思えてきた。その理由は永福町系の特徴としてあげられる、洗面器と形容される巨大な丼に2玉入りが標準だという事だ。大久保の『めとき』もそうだった。この店に行っておいて他の店と連食するのは困難なのだ。せっかくの週末に連食出来ないのはもったいない。そう思ったからだ。
ところが今日は生憎の雨の夜。しかもかなり雨脚が強い。こんな日は中止にすればいいのに実際は決行してしまうのだから我ながら呆れる。町田から小田急急行に乗り下北沢で井の頭線に乗り換える。そこから4駅ほどで永福町だ。もちろん初めて降りる駅。でも店は改札前の道路を渡ってすぐの所にあった。この立地と深夜を越えて営業しているのが雨の金曜の夜でも決行を決意した理由でもあった。駅前まで煮干しの匂いが微かに漂ってくる。引き戸を開け中に入るとタイルの壁の内装で何となく古めかしい昭和の大衆食堂といった雰囲気を感じる。でも清潔な感じ。テーブル席とL字型カウンター。さすがは行列店、こんな日でも客が一杯で賑わっている。幸運な事にカウンター席にひとつ空席があったので席待ちせずに済んだ。カウンター席と厨房はガラスで仕切られている。比較的大きめの厨房には男の店員が3人。割烹着を着た接客係のおばちゃんが2人。さかんに客に水を継ぎ足していた。カウンターには雑誌と共に永福町大勝軒の歴史と姿勢が書かれた号外のようなものが置かれていた。口頭で注文。そのボリュームのせいか注文してから20分くらい待たされた。
ステンレス製のトレイの上に正に洗面器のような丼とこれまた巨大なレンゲが添えられ登場。煮干しの香りがぷーんと立ち込める。そしてスープを覆うアツアツのラードの層。麺は柔らかめの中太ちぢれ麺。そこそこコシはあったが何せ量が多いので最後の方はフニャフニャになってしまった。具は刻みネギ、味が濃い乾燥メンマを戻したもの、ナルト1枚、ロースチャーシュー4枚、それと柚子が一欠片。何だかんだ言ってもやはり独特のものを持っている。煮干しラーメンだからあっさりしているのにラードでこってり。昔からこんなラーメンを出していたのでは評判になるのも納得だ。満腹にはなったが腹がキツイというほどでもない。しかしスープまで完飲するのはフードファイターくらいのものだろう。




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