尾道鞆浦
出発前日夜中の2時に起きてから何故か目が覚めて眠れなかった。6時50分羽田発の飛行機に乗らなくてはならなかったので朝4時半頃には家を出なくてはならなかった。それで「明日早いから早く寝なければ」と焦ってしまっていたからかもしれない。ともかく無事予定通り出発出来たので良かった。広島空港まで約1時間、朝8時には到着。山の上にある空港だったのでちょっと驚いた。少しの待ち時間の後リムジンバスで福山まで50分くらいで移動。そこからJR山陽本線に乗り10分ちょっと。朝10時前には既に尾道到着。飛行機を使った甲斐があったというものだ。
強い日差しが照りつける夏らしい日。夏の尾道というのも風情があってノスタルジイを増幅させる。駅の観光案内所に戻って地図を貰い大まかな計画を立案する。一応コースとしてはまず海沿いに歩いてみてから折り返して山の古寺巡りという感じに決定。海岸通りは木の板が張られて整備されているので尾道水道は見易くなったかも知れないが観光地っぽくなり風情が多少損なわれてしまったのは否めない。それでも前日に映画『さびしんぼう』を見て気分は盛り上がっていたので向島へ向かうフェリーも感慨深く見た。さっそく尾道渡船という渡し舟に乗ってみる事に。100円で3分程度の航海はワクワクしたが短すぎる。到着した向島はというと、手押し車で魚を売ってるおばちゃんが町角にいたりして風情があるものの特に見るべきところもなくすぐ戻る事にした。川を渡って今度はしまなみフェリーに乗った。5分100円。戻ったところでそろそろ11時。尾道に来た大きな目的のひとつ、尾道で一番有名なラーメン店『朱華園』の開店時間だ。朝から何も食べてこなかったのはここを朝食にすると決めていたから。ここからしばらく町の中心部をぶらついて尾道ラーメンを連食する事になるのだが、その話は別項に。
町の東部まで来たのでそこからいよいよ坂の道尾道の風情を感じるべく坂を上る。平地と山地の間を区切るように線路があるので面白い。坂を登り寺々を巡る。なにせ炎天下の中坂道を登るのでかなりキツイ。無意味に彷徨ってもキツイので寺や神社をポイントとして巡ってみる。かつて豪商達が航海の安全の為競って寄進したという25箇所もあるという。その寺や神社に寄る度に手を洗うところでタオルを濡らし涼を取る。長い石段はキツかったが、でもやはり尾道。所々に映画のロケ地が自然にあったり、町並みに風情があるものだから結構頑張れた。
ようやくロープウェイのところまで辿り着き乗り込む。案内嬢も同乗し3分間片道280円。展望台からは尾道水道が一望出来て素晴らしかった。降りる時は徒歩。千光寺などに寄って降りた頃にはさすがに寺巡りに飽きてきて疲れが出て来た。3時過ぎに駅に戻ってアイスなどを食べて一呼吸してから福山行きの電車に乗る。観光客もかなり少なめで尾道を十分満喫して満足だったが汗だくになったので空調の効いた車内で干す。しかし広島地方の夏はキツイな。
駅から路線バスで30分ほど、今日の宿を取ってある鞆の浦へと向かう。そもそも鞆の浦とはどういう場所か知らず、尾道市のビジネスホテルをネット検索した時に海の近くで良さそうだなと思って予約したに過ぎなかった。バス停で降りるとひなびた漁港と奇岩がある景色が見えてなかなかに風光明媚なところのようだ。 5時過ぎにホテルに到着した時はかなりバテ気味で、とにかく風呂で汗を洗い流してゆっくり休みたい一心だった。部屋に荷物を置きお茶を一杯飲んで一息ついたらさっそく大浴場に向かう。生き返った!これほど気持ちがいいとは!すっかり生気を吹き返しテンションが上がった。更にこのホテルはかなりサービスがいい!ビジネスパック朝食付5250円で本来夕食は付かないのだが、夕方6時までにチェックインするとお弁当が付く。おまけの弁当なので期待していなかったのだがこれがなかなか豪華なものだった。ごちそうさま!
いい気分になったのでちょっと夜の鞆の浦を軽く散策する事にした。最初は典型的な田舎の漁村だなと思っていたのだが、路地に入るとビックリ!本当に江戸時代にタイムスリップしてまったような古い町並みなのだ。まだまだ観光地としは穴場のようなので、生活感がある上に街燈も暗めでリアリティがあって良い。人はほとんど歩いておらず夜の古い町並みを独占したような気持ちでしばし時間を忘れ歩き回ってしまった。しかし前日寝不足の上疲労も蓄積しているので後ろ髪を引かれる思いで早めに切り上げ宿に戻った。これは明日が俄然楽しみになってきた。夜10時過ぎには眠りの世界に落ちていたと思う。
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