立川南北
三寒四温の真っ最中。空は雲に覆われ太陽は弱弱しく肌寒い。若干冬の服装に戻した。11時半頃家を出て川崎から南武線で立川へ。南口から7分くらい歩く。独創的な創作ラーメンをつくる事で有名だった『鏡花』。屋号は泉鏡花からとったようだ。外観は古い木を基調にした店構えで、ここまではよくあるのだが、中に入るといきなり暗い。照明を最低限に抑えてある。券売機で券を買い、土塀を模した通路を抜けると待合席があり先客3人が座っていた。正面を見るとまるで昔話に出てくる大きい農家のような、黒い大きな梁で組み上げられた厨房と、接客用の通路を挟んで同じく黒い木で出来たカウンターが並べられている。こんな大掛かりな雰囲気作りは高級料亭でもあまりないと思う。店員は厨房に男二人と接客係の若い女二人。10分ほど待って席に案内される。手元のみを照らす小さなスポットライトがある。
『らーめん(醤油)』 700円
独創的なメニューを創造しつづけた店主は昨年から原点回帰を目指しリニューアルしたらしい。醤油と塩、つけ麺がある。出てきた一杯もシンプルな醤油色のスープで表面に油が浮かぶ。見た目通りかなり醤油の味が強めで鰹節と思われる魚介のダシが効いている。麺は幅広い平打ち麺でモチモチしている。具は極太メンマ3本とと三つ葉が添えられている。チャーシューは大きいが薄いのが1枚。結構濃いめの味付けなのに、後味はすっきりと上品。店の雰囲気も含め「和」を感じさせる一杯だった。
その後駅に戻り反対側の北口に出る。そして立川に来たらお約束の第一デパートで立ち読み&買い物。それから銀行に行って所用を済ませた。それから伊勢丹の裏をぐるっと廻りビルの地下への階段を降りる。そこには高田馬場の行列店『俺の空』で修行した経歴のある店主が開いた店『ZERO』がある。『俺の空』は個人的にも好きな味で記憶に残っている。あの味がまた食べてみたくなった。引き戸をあけると簡単なカウンターとテーブル席があり3人の立待ち客がいた。食券機で食券を買ってから列に並ぶ。店員は4人。
期待通り『俺の空』同様の濃厚魚介豚骨スープだったが、記憶にある同店より若干薄い気がする。麺は細麺ストレート。具はベーコンのように炙られたチャーシューとやたらに長いメンマが二つ、海苔1枚。中央部にはキャベツと白髭ねぎ、青ねぎの小口切りが盛られ、一番上には柚子が一欠片のせられてある。2杯目に関わらず完食したが、何となく十分な満足感が得られなかった。
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