雨夜瀬谷
3連休前夜の金曜日という事で、会社帰りに無謀にも遠征。横浜から相鉄に乗り換え瀬谷まで行ってしまった。しかも駅から出たら静かに雨が降っていた。片手に傘、片手にガイド本を持ち、雨が降りしきる見知らぬ町の夜道を彷徨う。そうしていると会社の事等すっかり忘れていられる自分に気づく。ガイド本には駅から徒歩10分とあったが、実際はゆうに20分は歩いたと思う。遠くに光るいくつもの堤燈を発見。近づいてみると目的の店だった。この店は夜間営業のみなので、会社帰りに来るのが都合が良かったのだ。外をビニールで覆った長屋、というか町で良く見かけるログハウス風の花屋のようだ。綺麗な花々の植木鉢が店中いたるところに飾られている。中に入ると驚いた事に、前金で払ってから初めて席に座れるシステム。口頭で注文。丸テーブル席が幾つかとカウンター席がある。客入りは良い感じで数名いた。厨房は奥に有り見えない。店内に今日のスープの出来具合を8段階で表記されているようで、「3」以下は閉店と書いてある。今日は「7」。おっ結構いいな、と思ったが、客へお得感を持たせる為にわざとやっていて、実はいつも7か8なのではと、疑ってしまった。
『どんたくラーメン(バリカタ・油多め)』 1100円
好みを聞かれる。どこにも表記が無いので家系に準じて注文。独特の匂いはやっぱりするがそれほどキツくはない。スープはあっさりしているのに十分コクがあり味わい深い。豚骨の甘みを感じる。横浜で食べられる博多ラーメンの中でも最上位クラスの店と言われるだけあった。麺は定番の極細麺のバリカタ。脂多めのチャーシュー。メンマ、キクラゲ、きざみ青ネギ。海苔が数枚。半分に切られた味玉は固ゆでで味濃い目。卓上に白胡麻と紅生姜有り。写真を取り忘れた事を後悔した。結局スープが美味しいので完食してしまった。ただ博多ラーメンは総じて量に対して値段が高い。替え玉を注文したら1250円にもなってしまうので控えた。美味しいのに満足度ではその分下げざるを得ない。
再び長い駅までの道を雨の中引き返した。瀬谷駅に到着してから戻ってくるまでちょうど一時間経過していた。ところが今日の無謀な挑戦はこれだけで終わらなかった。駅の反対側に渡ってさらにそこから再び雨の中歩いて10分ほど。遠くに赤い堤燈の灯りが見えた。外観は小料理屋のよう。『山崎屋』という木の看板。中に入るとこじんまりとしている。テーブル席ひとつとカウンター席。夫婦で経営しているようだ。いかにも「脱サラしてラーメン屋始めました」的雰囲気。先客一人後客ゼロ。口頭で注文。照明を背にしている席なので写真が暗くなってしまった。
つけめんが評判らしいがらーめん希望。鰹と昆布ダシの香りが強い、甘めの醤油スープ。背脂が軽く振られている。尾道ラーメンに近い感じだが、まろやかに仕上がっている。ちぢれ細麺がよく合う。脂身の少ないチャーシューと半味玉。ほうれん草と白髭ねぎが添えられている。バランスがよく女性客にうけそうな一杯。
日中も結構根詰めて仕事をしていたので今日は疲れたけど、その分何やら達成感があり心地よい。服もびしょ濡れになってしまったが、帰りの電車に乗ったら妙に安堵感に包まれた。
コメント