黒闇謎店
ラーメン屋巡りをしている人間は、街を移動している際ついついラーメン屋の看板を探してしまう。そして何のデータも無い見慣れぬ看板を見ると気になってしょうがない。そういう店が一つ二つはあるものだ。今日は昼ごろ雨があがったので、そうした近所の店に乗り込んでみようと思った。黄金町からちょっと先あたりは行ったことのないラーメン屋が集中していて、どれも閉まっている事が多い。その内の一軒が「あってりラーメン」の看板を道路側に出ていたから開いていると思って近づいてみた。でもなんか店構え自体が暗く客が入っている様子がない。クリスマスツリーに使うようなチープな豆電球の電飾がかえって怪しい雰囲気をかもし出している。意を決して一度引き戸を開いたが中には客はおろか厨房にも誰もいなかった。準備中か?一度戸を閉めて営業中の札を探すが見当たらない。しかし営業時間を確認すると営業中のはずだ。しつこく再度戸を開けると、奥から店主が慌てて出てきた。客が来ないので一服でもしてたんだろうな。中は全体的に黒が基調だから暗いけど、意外に南国の海小屋風で床に砂利が敷き詰めてあったり、それなりに凝っている感じ。席には一席づつ、すのこが配置されている。
『あってり黒やみメン(太麺・麺かため)』 700円
メニューを見ると『あってり黒やみメン』『こってりやみつきメン』『あっさりほんぽメン』の3本立てでやってるようだ。オススメの『黒やみメン』で。細麺と太麺が選べて当然太麺・麺かためでオーダー。店内にはいろいろ能書きが書いてあり読んでみると家系の店で修行したらしい。出てきたラーメンは予想通り家系ラーメンに今流行のマー油を散らしたもの。『なんつっ亭』に影響を受けたのかな?しかし同店とは違いマー油は表面にのみ浮いた状態で掬うと分離する。麺は中太玉子ちぢれ麺。具はきざみネギともやしと、のり3枚と、珍しく岩のりまで添えられていた。チャーシューは脂少なめの小ぶりなものが1枚。マー油の風味が薄くちょうどいい感じ。確かに後味があっさりこってり=あってりでなかなか良かった。店主も意外と若くて元気よさそうだが、もうちょっと外装を何とかしないと客が入ってこないよ。
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