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2006年7月16日 (日)

八王子懐

ラーメン屋巡りのキッカケは『ラーメン二郎』に出会ったからという事は前に述べたが、そのバリエーションを調べていく内に自分に引っかかったご当地ラーメンというのがある。それが『竹岡式』と『八王子系』だ。こんな狭い範囲で今まで聞いた事の無い種類のラーメンがあった事に驚いた。その八王子系の特徴とは①醤油ベースがタレ②表面を油が覆っている③きざみ玉葱が具に添えられている、という至ってシンプルで逆にリアリティがある事に惹かれた。無理やり町おこしラーメンではないと思われるからだ。

初期の段階で関心があったにも関わらず何故今まで足が遠のいていたかと言えば、八王子という場所もさることながら、代表的な八王子系の店は駅から更に離れた郊外に点在しているからだ。しかし今日行くと決めたからには最も代表的な店に行く事にした。

朝から曇りがち蒸し暑い日だったが八王子に着いたら雨。天候まで違うのか。キオスクで傘を買い、早速西東京バスという普段見慣れないバスに乗り込む。最初から満員だ。どんどん町並みがローカルになり、とても東京とは思えないのどかな風景になっていく。30分弱で目的のバス停に到着。現れた店はよく郊外の国道沿いで見かける古けたラーメン店そのもの。しかしここが八王子系No.1『みんみんラーメン』だ。とうとう念願の店にはるばる来てしまった。昼ちょっと前だが行列は無く、靴を脱ぎ畳敷きの席へ案内される。煤けた襖、木の柱、見知らぬ他の客と並んで胡坐をかいて座る。30年前にタイムスリップしたようなローカルなムード。客層もいたって近所の家族連れといった感じ。

Minmin01みんみんラーメン

『ネギバラチャーシューメン(並)』 780円

ネギって長ネギ追加って事だったか。てっきり特徴の玉ネギ山盛りにしてくれるかと期待したのに残念。特徴どおり油が多く濃口醤油だが甘みと深みがあるまろやかな口あたり。若干魚介のダシを感じた。麺は硬めの中細ストレートでのど越しがいい。具は海苔とメンマ、最大の特徴たる玉ネギが油の多いスープによく合う。叉焼は脂分の多い薄いが大振りのものが2枚入っている。『竹岡式』にかなり似た味わいだが、こちらの方が普通の東京醤油系に近いようだ。何と素朴で美味しい中華そばである事か!

長い間の宿題店をクリアして満足感に浸りつつ冷房の効いたバスの車内から八王子の町の様子を眺める。郊外から徐々に街中へ近づいているのだが、逆に八王子という街が意外と人口が少なく閑散とした古い町である事がわかった。八王子から横浜までをシルクロードと言われたのは戦後の話ではないのか?それでも呉服店とかやたら多い。帽子屋、金物屋、和菓子屋などが並ぶ地方の商店街の風景そのものでノスタルジー溢れる町並みだ。バスが駅前に到着し、駅前の道幅が広く大きい商店街を歩く。その中ほどに八王子最古といわれるラーメン屋の暖簾があった。ラーメン専門店の大きな暖簾をくぐり中に入ると年季を感じさせる開放的な大衆食堂の雰囲気いっぱい。買い物途中の年配のおばさんがひとりで入って食べていくような、地元に愛されている雰囲気が伝わってくる。働いてるのもおばちゃん達ばかり。前金制でお金を払うと色つきの札をもらいラーメンを待つ。割り箸ケース等に歴史を感じる。

Takenoya01ラーメン専門店竹の家 『ラーメン』 500円

ここは八王子系では無くいたって普通の古典的正油ラーメン。シンプル。それ以上言いようが無い。麺はかなりちぢれが強いモチモチ中太麺。スープは煮干の味がする鶏ガラダシ。値段も安いし味も普通。地元民なら気軽に食べていくだろうな。懐かしい一杯。

何から何まで「本当にここは21世紀の東京か?」と思わせるくらい昭和の匂いに包まれた街だった。

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