佐野昇龍
ラーメンの事を調べているとご当地ラーメンの種類の多さに驚かされるが、そのほとんどを自分は良く知らないという事実に突き当たる。特に『喜多方』『白河』『佐野』という有名どころの明確な違いすらわからない。『喜多方』は結構チェーン展開している店が多いので食べるチャンスはあると思うが、『佐野』となると全く聞かない。調べてみても青竹を使って麺を打つ事以外は特徴らしい事を書いていない。その東京でも珍しい佐野ラーメンを出す店が何と通勤路のすぐ先にあるというではないか!何たる偶然!何たる幸運!早速行ってみる事にした。
そこにあった店は環八沿いのフツーの中華料理屋だった。外から覗くと客はゼロで店主が煙草ふかしながらTV見ていた(笑)。いや別に暇な時はTV見てもいいと思うよ。問題は夜7時半で来客ゼロって事だ!窓には選挙ポスター、マンガ雑誌が山積み、メニューに「カレーラーメン」「スタミナラーメン」だのダメダメな雰囲気蔓延。店主とサシで何だか知らんが気まずい感じ。TVからバラエティー番組の笑い声だけが店内に響き寂しさを増幅させる。
屋号からしてやる気が感じられない。懐かしのストⅡか。出てきたラーメンがこれまた期待を裏切らない、フツーの場末のラーメン屋のラーメン。まぁ具だくさんではある。チャーシュー、メンマ、もやし、わかめ、海苔、コーン、なると、味玉。佐野ラーメンの最大の特徴と言われた麺は、ちぢれ細麺。言われて見ればモチモチしているかもしれないが、言われなかったら気付かないだろう。大体スープが悪い。何のダシの味も感じない薄口醤油。チェーン店どころか市販の生ラーメンより下なのでは?こんな場末のラーメン屋のラーメンで『佐野ラーメン』を評しようとは思わないが、個性的で美味しかったらもっと『佐野』の名を冠した店が東京にあったっていいはずだ。それが答えだろう。満足感を得るには程遠く、帰りにマックに入ってしまった。チーズバーガーとコーラで200円。
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