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2015年12月19日 (土)

鶴岡地麺

151219turuoka01 5年半前の夏、初めての山形県遠征。最初の目的地として酒田を訪れた。目的はもちろん酒田ラーメン。その最初の店として訪問したのは、山形でも強力な人気を集めると聞いていた『ケンチャンラーメン』本店だった。その野趣溢れる独特な一杯は人気があるのがわかる味だった。しばらくはその一杯が記憶から離れなかったほど。でもその後他の酒田ラーメンを何店か訪問したが、『ケンチャンラーメン』の特異性が浮き彫りになってきた。調査をすると『ケンチャンラーメン』のルーツが鶴岡市にある事が判った。それは『鈴木そば』という店で、元々の店は閉店してしまったが、店主の娘がその屋号と味を引き継いだ店がある。鶴岡2店目としてこの店を選び鶴岡市内へ戻ってきた。ちょうど正午過ぎだったので店前の駐車場は厳しそうだったので近くのコンビニ駐車スペースを拝借し店に向かう。

入口にはでかでかとマスコミへの取材拒否の旨の張り紙がされていた。ドアには香水を付けた客お断りなども書かれている。クセがありそうな店だ。早速入店。店内は灯油のニオイが結構強め。香水は駄目だけど灯油は生活のため仕方ないという事か。厨房には男の店員2人とおばさん店員1人。厨房近くにカウンター3席と4人がけテーブル席6卓。入口で注文してから着席するのがこの店のルールらしいが、何も知らず先に座ってしまった。おばちゃん店員が注文を聞きに来てくれた。先客8人後客2人。

151219suzukisoba00 151219suzukisoba01 鈴木そば 『中華そば 小』 650円

つけめんと、背脂追加のこってすずと言うメニューもあるが、我は基本を知りたいので筆頭メニューを注文。連食の為小にした。ところがこのボリューム。鶴岡ラーメンの特徴として量が多いという事が挙げられる。麺はねずみ色をして強烈に縮れた平打太麺で、力を入れて手もみしたのか、一部麺がくっつきダマのようになっていた。しかしこのワシワシと表現したくなる食感は『ケンチャンラーメン』に通じるものだ。具は薬味ネギ、ワカメ、細裂きメンマ、海苔1枚、チャーシュー2枚。熱々のスープは表面にラードがかかっている。魚介出汁と昆布出汁が効いた庄内地方らしい味。でもやや醤油の味が出ている感じかな。満足。

続いて『鈴木そば』から徒歩10分ほど歩いた住宅街の只中に本日3店目に狙った店がある。『らーめん 満び(まんび)』。店主は先に説明した閉店した元の『鈴木そば』出身だという。早速暖簾を割り入店。昼時だけあって大賑わいだった。こちらは場所柄か、家族客が多くとてもアットホームな雰囲気。3世代でやって来た客もいたり。山形の人は本当にラーメンが好きなんだね。厨房にはおばちゃん店員ばかり5人。厨房前に一列5席のカウンター席、4人がけテーブル席5卓と座敷に4人テーブル席4卓。人でごった返していたので案内を待っていると、まずは注文して料金前払いだという。まだ鶴岡のルールに慣れていない。でもそこが嬉しい。相席となり待たずに座れた。

151219manbi00 151219manbi01 らーめん 満び

『らーめん 小(あっさり・太麺)』 650円

立て続いて3杯目なので小を注文。「こってり」か「あっさり」か、「太麺」か「細麺」か選べるのも『鈴木そば』と同じ。麺は茶褐色を帯びねじれも入ったような強い縮れの中太平打太麺。具は薬味ネギ、メンマ、海苔1枚、チャーシューは2枚半。人気の理由がよく分かる魚介出汁が前面に出たあっさり醤油スープ。東北を感じるねー。それにしても何だよこの量は。小を注文したんだよ。でも関東の人間からすればこれは大盛りサイズ。丼のサイズもそんな感じ。鶴岡ラーメン連食はとてもきつかった。でも満足。

鶴岡ラーメン。それは荒々しく縮れビロビロ自家製麺と魚介出汁スープで構成された一杯でこってりかあっさりが選べて、ボリュームがある一杯。隣接する酒田ラーメンと似ているが微妙に違いもある。喜多方ラーメンにとっての会津若松ラーメンのように。まだまだあるね、隠れた地麺は。

雪が懸念された今回の遠征。時々白いのがちらついた時はあったけど、全然安全快適に運転出来た。超難関店『琴平荘』訪問達成が叶った。おそらく来週末には年末休暇で客がごった返すだろう。そして年が明けたら雪が積りはじめ春先まで訪問は困難になるだろう。年内に来れて本当に良かった。長時間の待ちを覚悟していた『琴平荘』が短時間で終わったので、当初の予定より大分早く地麺巡りが終わった。これから観光してもよかったけど、これ以上は望まない。余計な欲を出して事故ってしまったらせっかくの旅行が台無しになる。レンタカーを無事返車し、駅近くの土産物店でゆっくり土産を物色。余裕を持って駅に着いて、来る時と同じ行程で家路に着いた。横浜には7時半過ぎ、8時過ぎには帰宅出来た。

冬琴平荘

151219konpirasou06 我は暑がりのくせに雪国が苦手だ。かじかむ指と千切れそうに冷えるる耳たぶ。そういった体感的な事は然ることながら、灰色の空と静まり返った白一色の景色が心の中まで寒々とさせる心理的な影響が大きい。そして交通機関が麻痺状態になるという実質的な弊害も嫌だ。そんなわけで、東北や北陸、北海道などへ遠征に行く場合はせいぜい10月迄で、それを逃すと5月以降までは計画しないのが通例だった。ところが今年最後となるであろう地方遠征の地に選んだのは、何と山形県でも日本海側に面した鶴岡市だった。山形は各地に特色のある地ラーメンが存在する全国でも有数の麺処。そんな山形にあって毎年ランキング上位に食い込んでくる、冬季にしか味わえない一杯があるからだ。

151219konpirasou07 三瀬海水浴場にほど近い場所にある昭和の雰囲気を残した旅館『琴平荘』。夏場ならまだしも冬場の集客は絶望的。そんな冬の閑散期対策として、この旅館で中華そばを提供するようになった。旅館経営者兼料理長である掛神氏は元々ラーメン好きだった事もあり、独学で研鑽を積み、今ではその中華そば目当てに休日には500人も詰めかけるようになったという。最初はごく近くの近隣の人達の間で評判になった程度だったろうが、全国を食べ歩くタガが外れたラオタ狂者達に知られ全国区の有名店になるのはそう時間がかからなかっただろう。営業期間は10月から5月までの期間限定で、営業時間は昼の3時間のみ。しかも場所は雪深い寒風吹き荒ぶ日本海にある古びた旅館。こういったハードルの高さも狂者にとっては結構重要なスパイスになり得るからだ。

151219konpirasou00 この店に挑むにあたって重要なのは時期。雪深くなっては行きたくても行けなくなってしまう。考える事は皆同じで営業開始直後の10月や営業終了直前の春頃は人でごった返し、本当に500人以上の待ちが生じるらしい。我がこの時期を狙ったのは雪が降る直前のギリギリのこの時期。エイヤで特急券とレンタカーの手配を前もってしてしまったのだが、出発3日前くらいから現地の天気予報で雪だるまマークが付き始めた。我のようなペーパードライバーが雪道を運転するのは恐怖なのでど心配していた。当日空に星が瞬く時間に家を出て、東京から新幹線に乗り新潟でいなほ1号に乗り継ぎ鶴岡に到着したのは10時20分頃。流石に横浜より風が冷たい。でも路面に積雪は見当たらない。駅前にあるレンタカー営業所で車を借りる。乗り慣れたヴィッツを期待していたのだが手配された車は新型パッソ。シフトレバーがハンドル横にあったり、サイドブレーキがフット式だったり斬新で慣れるのに時間がかかった。駅から走ること30分ほど、荒々しい冬の日本海の波音が聞こえる場所に目的の店はあった。到着したのは開店予定時刻を5分ほど過ぎたあたり。駐車場には既に多くの車が駐車されていた。早速店入口に向かう。無人の入口。靴を下駄箱に入れ、昭和の雰囲気がある旅館の廊下を進むと「中華そば処」と書かれた目印があるので矢印に従って進むと緑の暖簾がかかっていた。そこを開くと大広間。座敷卓が15卓ほど並んでいて、そこでラーメンを食べている客の姿がある。後方に仕切りがあり、その向こうには順番待ちの客がゆったりと座って呼ばれるのを待っている状況。入口に番号札があり、若い番号順に取って待つシステム。我が取った札は31番。その時案内で呼ばれていたのは22番だった。畳に座って足を伸ばすのなんて久々だ。でも混雑時にはこの大広間の待合いスペースでは間に合わなくて、他の部屋を待合室にしているというのだから凄いな。でも今は20人くらいが座敷の後ろのスペースで待っていた。後客も来るけどいい感じで回転している。我の番号は30分ほど待ったあたりで呼ばれた。やっぱりこの時期に訪問した我の狙いは大正解だった。厨房は座敷奥にチラッと見える程度でよく判らなかったが、掛神氏の姿は確認出来た。接客係として女店員が4人。卓の脇に座布団が積んであるので人数分を自分たちで敷いいて使えという事だろう。待っていると女店員が注文を取りに来るので口頭で注文した。

151219konpirasou03 151219konpirasou04 151219konpirasou01 151219konpirasou02 旅館 琴平荘 中華そば処

『中華そば(こってり・麺かため)』 700円

筆頭基本のメニューを注文。「あっさり」か「こってり」を選んで、麺のかたさも指定出来る。屋号入の丼を期待したがそこは選択出来なかった。どうも識別で「あっさり」選択だと屋号入の丼になっている気がした。麺は多加水で縮れが強い中細麺。具は薬味ネギ、メンマ、海苔1枚、チャーシュー2枚。魚介出汁がかなり強めで美味さが伝わる醤油スープ。地元で取れたトビウオで自家製で焼き干しにして出汁に使っているそうだ。また自家製スルメを醤油タレに使っているとか手間をかけて努力に余念がない。その分評判通りの味わい。同じ庄内地方、酒田ラーメンの筆頭『満月』に通じるものを感じた。文句無く美味い!汁一滴残さず完食した。

到着して僅か1時間弱で店を出た。予想より大分早い退店となった。周辺の海岸を見てに冬の日本海を目に焼き付けた。151219konpirasou08

2015年10月24日 (土)

古川拉麺

151024furukawa00 古川駅に到着したのは午後1時15分頃。『いろは食堂』に寄っただけで帰りの新幹線に乗ってしまうのは勿体無いと思われたので、地元で人気だと聞く老舗ラーメン店に寄ってみる事にした。『富士屋本店』だ。仙台にも支店があるらしい。駅から1km以上離れており徒歩15分かかって到着。しかし店前に5人の行列が生じていた。今日はタイミング悪いな。7~8分待って入店。奥行きがある店内。内装は白。厨房にはおじさん店主と若い女の店員が2人。厨房を囲んでL字型カウンター9席と4人がけテーブル5席。後客も続々来店。人気の噂は本当だった。口頭で注文。

151024fujiya00 151024fujiya01 ラーメン 富士屋 本店 『ワンタンメン』 750円

こちらの看板メニューはワンタンメンとのことだったのでそれを注文。なかなかのボリュームな一杯。麺は中細ストレート。具は薬味ネギ、メンマ、ナルト、ゆで玉子のスライスが2枚、チャーシュー2枚。ワンタンが5~6個。このワンタン、餡がザラッとした食感があり、味噌味を感じた。スープは豚骨鶏ガラメインで地元産の醤油を4種ブレンドしたタレを加えているのだそうだ。この店は醤油味一筋をウリにしているが、それほど醤油がビンビンに感じるといったタイプではない。他の店で例えてしまうと昔の『げんこつ屋』に近い印象を受けた。ボリュームもあり個性もあるので馴染めば習慣性が出てくるのだろう。

駅に戻る途中、お茶屋で抹茶ソフト150円を購入し食べた。お茶の味が濃くて美味かった。古川駅に到着すると、1時間に1本出る新幹線は発車してしまったばかり。今日はこんなのばっかりだ。牛タンと南蛮味噌を土産に買い、ホームで新幹線を待つ。帰りはやまびこの自由席。早く並んだので座れた。車中は爆睡眠。18時半頃には帰宅出来た。

陸奥古麺

151024irohasyokudou06 ご当地ラーメン空白地帯の宮城県。しかしながら同県大崎市の町外れ、平成の大合併以前は玉造郡と呼ばれた地に存在感を放つ老舗店が存在する。その店の名は『いろは食堂』。明確な創業は判らなかったが、この地で半世紀以上営業しているそうだ。曰く、看板も無く、入口も判らずらいのに日々長蛇の列が生じる。名物おばちゃん店員の鬼の仕切りで完全に客は言いなりに動くしかない、etc…。今は古川駅周辺に支店が出来ているという。

151024minori00 151024minori02 今月二度目になる東北個性派老舗店巡り第二弾。一週間前にチケットは手配した。みどりの窓口で購入したところ、週末パスというものがあり、エリア内乗り降り自由でかなり割安だった。朝8時前東京発のはやぶさに乗り古川で下車。ここで快速リゾートみのりという特別列車に乗り換えた。窓が大きく展望スペースなどもあり快適だったが一駅目の岩手山駅で下車する。時刻は10時半。目的の『いろは食堂』は駅から0.7kmほど離れているので早歩きで10分ほどで到着。店の前にはなるほど看板もなく、木板で造られた年季の入った大きな民家があり入口付近には誰もいない。営業しているのかすら判らない。ただ門は開いている。

151024irohasyokudou05 中に入って大きく回り込むと、既に中には客がいっぱい入っているのが窓から見えた。えっ?開店予定時間の20分も前に到着したのに…。入口の引き戸は閉められており、よっぽど戸を開けて入ろうかと思ったが、前情報でおばちゃん店員の鬼の仕切りを聞いていたので、入口から5mくらい離れた待ち席付近で待っていた。しばらくすると店のロゴが入った青いTシャツを着た短髪で眼鏡かけたおばちゃんが出てきて「今ちょうど満席だから、席が空き次第呼ぶからそこで待ってて下さい!」と言われた。戸を開けないでよかった。しばらくするとどんどん後客が来て長蛇の列になった。しかし開店20分前に到着したのに行列の先頭で待つことになるとは…。食べて駅に戻って11時半発の電車に乗ろうと計画していたがこれでは無理なようだ。ちょうど11時になった時、先客が入口から出て行くのが見えた。直後に例のおばちゃん店員に呼ばれ店内に入れた。中は天井が高く歴史を感じさせる雰囲気があり、川魚を取る漁具と共に、壁には北島三郎のポスターがいくつも貼られている。厨房には男の店員1人と女の店員1人、さらに鬼の仕切りのおばちゃん店員。客席は4人がけ木テーブル2卓と6人がけ木テーブルが2卓、更に座敷に4人がけテーブル3卓。席を指定され言われた通りに着席。注文は聞きに来てくれるまで待つ。しばらくしておばちゃんが注文を取りに来たので口頭で注文。水はセルフで取りに行く。コップは戸棚の中にあり判りづらい。後客が取りに行くのを見てようやく在り処が判った。鬼の仕切りのおばちゃん店員も別に高圧的なわけではなく、座敷席が辛そうな老人客にテーブル席が空いた時に移動を促したり、狭そうな位置に座った客にはテーブルを移動したり、終始冗談交じりの接客なので好印象だった。

151024irohasyokudou02 151024irohasyokudou03 151024irohasyokudou04 151024irohasyokudou01 いろは食堂 本店 『特製いろはらあめん』 900円

グループ単位で順番に作っているようで、着席後更に30分待ちでようやく着丼となった。直前にたくあんの小皿と割り箸が出された。注文したのは揚げた豚肉(パーコー)入りの特製いろはらぁめん。これが予想以上に個性的な一杯だった。麺は平たい細ストレート。自家製麺。具は薬味ネギ、平メンマ数本、そしてグローブのような形をした熱々の揚げたて豚肉。普通の「らあめん」にはこれの代わりに鶏チャーシューがのるらしい。そしてスープなのだが、表面に鶏油が分厚く覆っており熱々!この熱々と揚げたてパーコーの熱の相乗効果で温かい食事をとっている幸せ感が増すのだろう。スープは鶏ガラ出汁と醤油が濃いめの味の輪郭がハッキリしたもので我の好みに合致する。鶏油も好きだしね。パーコーも最後まで熱々で味も食感も良い。全体的にボリュームがある。東北の老舗店としてはかなり異彩を放つ一杯。味濃いめで油たっぷり!ボリュームたっぷり!薄味寄りでさっぱりした和風の食べ物しかなかったであろうこの地域に、こんな迫力のある一杯が出されたら、近隣の、特に若い世代の客は夢中になるのも納得出来る。残念なことに広まりは無かった為地麺とは呼べないけど、宮城の難関老舗店の味を堪能できて大満足。ほぼ完食といってよかった。

2015年10月10日 (土)

二井地麺

10月の三連休初日。時刻は11時半。我は奥羽本線二ツ井駅に降り立った。まだ日も上がらぬ暗い時間に家を出て、新青森経由で新幹線と特急を乗り継いでやって来た。目的は『曙食堂』に他ならない。

151010futatui01 7月末に行った東北大遠征。我にとって現時点で最後と思われる地麺巡りに特化した最大規模の旅だった。そのメインは秋田能代の難関店巡り。本命の『十八番』は無事訪問出来たのだが、それに次ぐ目的店としていた『曙食堂』は臨休を喰らい、大遠征の思い出に傷をつけた恰好になってしまった。それは心のなかで今でも尾を引きずっていた。『曙食堂』。JR奥羽本線二ツ井駅からほど近い場所にある昭和24年創業の老舗店。馬肉チャーシューがのった唯一無二の味の一杯を提供する北秋田を代表する店のひとつ。営業は昼11時から2時までの3時間。定休は火曜だが臨時休業も結構あるようで前回煮え湯を飲まされた。この一杯を体感しないと我の東北大遠征は完結しないのだ。駅に到着後、即改札を抜け駆け足で店へと向かう。開店予定時刻から30分後の到着だったからだ。今度こそ!今度こそ!そう心のなかでつぶやきながら走る。そしてまだ記憶に新しい路地に到着。そして横をみると…無事店前に小さな暖簾と営業中の札がかかっていた!久々に嬉しさがこみ上げ破顔してしまったよ!店前に人影なし!早速勇んで暖簾を割った。週末は行列が生じると聞いていたが前客は3人だけだった。中は暗く奥にのびる細い店内。ほぼ一列と言っていいようなL字型カウンター11席。そして背後には空席待ち用の丸イスも並んでいる。異様なことに店内中央に木がのびている。店内突き当りの仕切りの先に厨房があり、おばちゃん達が3人いた。お冷が出された時に口頭で注文。後客はぞくぞく8人。前情報は本当だったようで我は運が良かったようだ。今回は。

151010akebonosyokudou00 151010akebonosyokudou02 151010akebonosyokudou01 曙食堂 『チャーシュー麺』 750円

万感の思いを込めて『曙食堂』、チャーシュー麺を注文。3分程度で着丼。ようやく対麺出来た。麺は白っぽい中細縮れ麺。縮れの強さは同じ秋田の十文字中華そば並。具は薬味ネギ、細切りメンマ、そしてレバーのような黒色をした馬肉チャーシュー。チャーシューというより肉片が沢山入っている。スープは煮干しベースというが隠し味程度。醤油も入っていると思うがそれもあまり感じない。淡い塩気と、豚骨スープに通じるコクがある。馬肉から出る煮汁のようなものが影響しているのか?独特と言えば独特かもしれないけど初めて食べた味という感じではない。クセというものものない。そして馬肉の肉片はほぼビーフジャーキーのような味。やや甘さを感じる。『十八番』に並ぶここでしか食べられない奇麺。とうとう味わう事が出来た。やはり万感の思いを込めて汁一滴残さずありがたく完食した。

『曙食堂』を出たのがまだ正午前。せっかく秋田まで来て一杯だけ食べて帰路につくのはあまりにもったいない。しかしこの静かな北秋田の田舎町に次の店などあろうはずがない。そう思っていたが…事前調査で見つけてしまったのだ、二ツ井名物と言われるもうひとつの地麺の存在を!その名は「ザザーメン」という。何とも微妙で口にするのもはばかられる感じのネーミングだが…それはあったのだ。しかも『曙食堂』の斜向かいの店に。その店の名は『萬福食堂』。創業昭和42年。3年前に火事で旧店舗を焼失したようだが復活したというドラマもあったらしい。おそらく旧店舗時代から使っている年季を感じる黄色い暖簾を割り入店。厨房には初老の夫婦と思しきおじちゃんとおばちゃんの2人。厨房前に一列のカウンター8席と4人がけテーブル席2卓、座敷に4人がけテーブル1卓。先客16人後客6人と大盛況。白髪丸顔のおっちゃんは汗まみれで一所懸命に調理していた。

151010manpukusyokudou00 151010manpukusyokudou02 151010manpukusyokudou01 中華料理 萬福 『ザザーメン』 600円

メニューには塩も醤油も味噌もタンメンもタンタンメンもあるけど、メニューの三番目に燦然と輝くザザーメンを注文。麺は黄色い縮れ細麺。麺量は結構ある。具は大きめの輪切りのネギ、とメンマ、そして挽肉が結構な量入っていた。スープはあっさり味噌。ザザーメンの正体はあっさり味噌ラーメンだった。一説には中華料理の「炸醤麺(ザージャンメン)」がなまったものだというが真相は定かではない。ただこの店だけではなく二ツ井駅周辺の中華料理店でこの料理名で提供されているという事実がある。地麺と言って差し支えないだろう。それにしても凄いボリュームだった。

秋田県能代市の『曙食堂』で食事をして日帰り出来る奇跡の行程では、二ツ井に滞在出来る時間はたった68分。観光も何もあったもんじゃない。それでも駅へと歩をすすめる我の顔は晴れ晴れとしていたと自分でわかった。この2ヶ月間、頭の片隅にあった『曙食堂』への思いが晴れたのだから。

151010futatui02 帰路はまず奥羽本線各駅停車に乗車し秋田へと向かう。車窓から見えるは米どころ秋田を象徴する風景。秋田駅に到着し秋田新幹線こまちに乗り換える猶予は20分。駅ビル土産物売り場で秋田銘菓「金萬」や名物きりたんぽ鍋セットなどを購入し新幹線こまちに乗り込む。東京には18時過ぎ、自宅には19時半には帰ってこれた。丸一日がかりの大遠征だった。

2015年8月 1日 (土)

祭前青森

150801aomori01 150801aomori02 今日から8月。その最初の日は青森で迎えた。明日からねぶた祭りが開催されるという。しかし我はその祭りを観ることなく本日の昼に新幹線で帰京する事になる。それでも祭り前日の何となく浮足立った町の雰囲気を感じる事が出来た。例えば商店街はねぶた囃子が流れているし、ねぶた祭の跳人の衣装や小道具がコンビニにまで売っている。歩道には既に場所取りを示すテープが貼られている。やっぱり青森県民にとってねぶた祭は特別な日なんだなー。

さて朝食だ。ラオタが地方遠征して朝食を食べる店はほぼ確定!という店がある。京都では『新福菜館』or『第一旭』、そしてここ青森では『くどうラーメン』だ。創業昭和23年、『まるかい』と並ぶ青森の代表的な店だ。ここも4年ぶりの再訪問となる。店に到着したのはほぼ開店直後の朝8時。しかし入口の券売機に先客が3人並んでいた。内カップル2人はコロコロを引きずって入店していた。青森を立つ前にここで一杯!という事だろう。とても正しい選択だと思う。店内は煮干しの良い香り。朝の雰囲気と何故か合うんだよね。厨房には男の店員1人と女の店員2人。窓際に一列のカウンター6席とコの字型カウンター9席が2つ並んでいる。更に4人がけテーブル席が2卓。後客3人。
150801kudou00 150801kudou01 くどうラーメン 『ラーメン 中』 500円
4年前と同じ基本メニューを注文。麺は中細縮れ麺。具は薬味ネギ、メンマ数本、チャーシュー1枚。煮干し香るあっさり醤油スープ。このシンプルさ。このラーメン以上に、日本の朝食に相応しい一杯が他にあるだろうか?満足だ。
一度ホテルに戻り身支度を整え10時前にチェックアウト。でも荷物はフロントに預けて出発。次の目的店は本日のメインとなる店で、ホテルから徒歩5分程度のところにある。その店の名は『丸海鳴海中華そば店』。伝え聞くに創業70年になるという老舗で、昨夜訪問した青森筆頭店『まるかいラーメン』店主の修行先との噂がある。営業は朝10時から昼1時までの3時間、定休は日曜祝日、臨時休業も多いという。また店内にはメニュー表がない、写真撮影は許可が必要など、いくつもの高いハードルがあると聞く難関店。この店に訪問する為青森に1泊したと言っていい。到着時、10時5分前くらいだったが、既にに暖簾はかけられ、店主らしきおじさんは客席テーブルでくつろいでいた。恐る恐る暖簾を割り入店すると、おばさん店員が「いらっしゃーい」と声をかけてくれて店主は厨房に戻っていった。ちなみに現在店主は三代目なのだそうだ。店内は年季が感じられ、昔ながらの食堂といった雰囲気。厨房前に一列4席のカウンター席、4人がけテーブル席6卓。前後客ゼロ。カウンターに座る勇気がなかったので、厨房から一番遠いテーブル席に座った。あれ?壁にメニューが書かれた紙が貼られているじゃないか。おばさんに口頭で注文。
150801marukainarumi00 150801marukainarumi02 150801marukainarumi01 丸海鳴海中華そば店 『そば 中』 700円
中か大かの2択を迫られるのは『まるかい』と一緒。中を注文。大は1200円で強烈なボリュームで大変な事になるのだそうだ。5分ほど待って提供された一杯。配膳したおばさんに写真の許可をお願いすると、事も無げに「どうぞー」の一言。一安心だ。もうこの一杯の顔を見ただけで異様な麺の太さが際立つ。うどん麺だ!と思うほどの太さの白い、手打ちの極太縮れ麺。かんすいを使わず具は薬味ネギ、メンマ数本、そして小田原ラーメン級の分厚いチャーシューが2つ。スープは魚介や昆布出汁の淡い味が感じられるあっさり醤油。煮干しだけではなく店主自ら削った鰹節を使っているとか。どうりで蕎麦つゆっぽいと思った。店の看板には「そば処」とあり、知らない人が来店し「そば」を頼んだら、こんなうどんのようなラーメンが出されたらきっとビックリするだろう。舌代を払い「ごちそうさまー」と言って店を出ると、頑固そうな店主も青森弁で「ありがとさん」みたいに応えてくれた。青森最大の難関店、無事訪問を終えて大満足だ。
ホテルに荷物を取りに戻り青森駅へと歩を進める。今回の遠大遠征もいよいよ終わりの時が近づいている。それでも新幹線の時間まであと2時間弱あるので、駅前の地下の市場をぶらついてみる。この時期ナマモノを買うと危険なので見るだけに終わったけど。腹にもまだ余裕があり、あとは帰るだけなのでもう一店寄る事にした。その市場を出てすぐのところにあった『長尾中華そば』の青森駅前店だ。青森煮干豚骨の雄。西バイパス本店には4年前の遠征で訪問済みだが、この店は初訪問。2011年12月に開店したそうだから、この前はまだ無かった。この店は何と朝7時から営業しているそうだ。朝型の我からすれば、青森の人は羨ましい。店外に券売機。入店すると厨房に男の店員1人と女の店員1人。一列4席のカウンター席が背中合わせに2つ。先客1人後客5人。
150801nagaochyukasoba00 150801nagaochyukasoba01 150801nagaochyukasoba02 長尾中華そば 青森駅前店 『こく煮干し(細麺)』 700円

メニューはあっさりとこく煮干し、その中間のあっこくというのがある。本店ではこく煮干しを注文したので、今回はあっさり…という訳にはいかなかった。あっさりは今まで連食していたからね。青森最後はやっぱりこく煮干しで煮干しを五臓六腑に染み込ませて帰りたかった。麺は手打ち麺、中太麺、細麺と選べた。確か前回は手打ち麺だったはず。今回は角館『伊藤』インスパイアを狙って細麺を指定。ところがこの麺は丸くてポクポクしたような食感で当てが外れた。具は薬味ネギ、平メンマ数本、チャーシュー2枚。この豚骨の甘みと煮干しのえぐ味のマッチング。首都圏でも珍しくないスタイルになったとはいえ、店によって煮干し感が物足りない店も多々ある。でも青森のパイオニア店は安定感がある。そして嬉しい事にライス無料。店奥にある炊飯ジャーからご飯よそり放題。スープをかけてチャーシューをのせ、煮干豚チャーシュー雑炊を自作。この煮干し豚骨スープって、もしかしたらご飯に一番合うラーメンスープではなかろうか?大満足の青森の食べ納めとなった。
ねぶたのお囃子が鳴り響く青森駅から電車でひと駅、新青森駅に到着したのは正午くらい。事前に買っておいたものより一本早い新幹線に余裕で乗れそうだったので手配するとあっさりチェンジOK。12時半前に新青森を出発した。その車内、デジカメの画像を見直しながら山形・秋田・青森の3県をまたいだ2日半の大遠征を振り返った。見事なほどに観光ゼロ、食べ歩きに特化した旅になった。酒田月系三系統、秋田ちゃんぽん、黒石つゆ焼きそば、天中華、津軽味噌などマニアック過ぎる地麺探訪、それでいながら秋田十文字中華そばや青森煮干し中華そばも味わった。とどめは『曙食堂』は逃したものの、『十八番』、『佐藤中華そば楼』、『丸海鳴海中華そば店』という難関店の訪問成功だ。普通の人には理解の範囲外の事だろうが、この成果を自画絶賛してしまった。いやー地方遠征はやっぱり楽しい!
新幹線は4時前に東京に到着、5時半には帰宅出来た。

2015年7月31日 (金)

青森再訪

青森駅に到着したのは午後6時半くらい。約4年ぶりの再訪問となる。まだ記憶に新しい感じだ。でも青森に来た実感が伴わない。それは青森らしいラーメンを食べていないからだ。今日は青森を縦断してきたけど、食べたのが「つゆ焼きそば」、「天中華」、「みそラーメン」だもん。全然青森感がないぞ。全く、自分でやっておいてだよ。なのでホテルに行く前に、昭和31年創業の青森の筆頭老舗店『まるかい』に行ってみる事にした。4年前にも訪問しているので再訪だ。この店の雰囲気が良かったのが印象に残っている。客層はタクシーの運ちゃんや土方の作業員、サンダル履きで来てる近所の人など、地元民から支持されている感がハンパじゃない。入口で口頭で注文して勝手に好きな席に座り、支払いは自己申告。このラフな感じ、何となく博多『長浜屋』の雰囲気に似ている。但し、店内に漂っているのは豚骨臭ではなく、煮干しの香り。男の店員ばかりで、厨房に2人、支払いのところに1人。厨房前に一列のカウンター2席、2人がけテーブル席1卓と4人がけテーブル席11卓、8人がけテーブル席1卓。先客11人後客8人。

150731marukai00 150731marukai01 まるかいラーメン 『醤油ラーメン 中盛』 600円

メニューは醤油ラーメンの中盛と大盛の2つだけ。本日6杯目なので小盛でお願いしたかったが、小はメニューに無いので中盛を注文。麺は太麺ストレート。具は薬味ネギ、メンマ、チャーシュー3枚。いいねぇ、煮干しと醤油の香り。現金なものでこのラーメンと食べた途端、自分が青森に再びやって来たという喜びがじわじわと湧いてきた。まだ2度目の訪問なのに、この居心地の良さ、安心感は何なのだろう?十分満足したしもう腹も限界となった。店を出て予約していたホテルを目指す。時刻は夜7時をまわった辺り。でもまだ空は明るい。

津軽味噌

黒石の『妙光』を出て「あれっ?」と思った。次は隣の弘前に向っていたはずなのに。入力したナビに従っていたら「やたら時間かかるなー」と思い始めた。そうしたら窓の外には五所川原と書かれた看板が見え始めた。どうやら『十八番』に行く前に入力した目的地の順番を誤ったようだ。でも気がついた時は既に遅い。そのままナビに従い『亀乃家』に向った。なので『亀乃家』を出てまた1時間ほどかけて南下し弘前市にやって来た。

そうまでしてやって来た弘前。目指す店は青森筆頭の『高橋中華そば店』でも、老舗の『緑屋』でも『三升屋』でもない。それらの店は4年前の秋に行った青森遠征で訪問済みだ。目指す店は何とデパ地下にある店だ。「中三」という地元密着型のデパートの弘前店の地下に地元民が愛してやまない味噌ラーメンがあるのだ。青森で味噌というと味噌カレー牛乳ラーメンという異端味噌くらいで、地元から支持される一般的な味噌ラーメンというもののイメージが浮かばない。津軽味噌ラーメンというのがどういうものか一度味わってみたかったのだ。

北秋田から車で田舎道を通ってきたので弘前中心部は賑やかな都会に見える。そんな市中心部に「中三」はあった。駐車場が見つからなかったので、隣のビルの立体駐車場に車を止め「中三」の地下へと向った。普通の地方都市のデパ地下の光景が広がる。その一角のフードコートに目的の店『中みそ』を見つけた。創業は昭和44年、五所川原の「中三」だった。弘前には2年後の昭和46年に出店。五所川原の店舗は昭和54年に惜しまれつつ閉店し現存するのは弘前の店舗のみになった。それでも地元民からの支持は絶大で今に至る。フードコートなので他の飲食店と並んであり、その前にテーブル席が沢山置かれている。時刻は夕方4時位だったので座っているのは買い物終わりの主婦らしきおばさんが2人ほどだった。なので並ぶことなく口頭で注文。厨房にはおばちゃん店員と男の店員の2人がいた。代金を支払い番号が書かれたプラ板食券を渡された。待つこと2分くらいかな?番号を呼ばれたので取りに行った。

150731nakamiso00 150731nakamiso01 中みそ 『みそラーメン(小)』 520円

メニュー表に「中みそラーメン」の屋号の部分に白いテープが貼られ消されているのが気になった。一時期屋号を『チャイナドール』と変えた時代があったというからその名残か。他のメニューはピリ辛味噌というのがあり、各々大中小のサイズが選べた。我は本日5杯目。しかもみそラーメンはキツイので小で注文。それでもそこそこのボリュームだし値段も良心的過ぎる。麺は中細ストレート。具はキャベツともやし、豚コマとかが入っていた。小だけど二郎並とまでは言わずとも、スープ表面から完全にキャベツが浮いている状態。スープは生姜とニンニクがやんわり効いている。赤味噌ベースだけど甘い。砂糖を入れているそうだ。五所川原時代は白味噌ベースだったけど、弘前の若い客層に合わせて変更したのだとか。正直言うとそれほど個性は突出していなかったが、赤味噌で甘いというのは珍しいし、こういう微妙な味の違いが食べ慣れるほど愛着になっていくものなのだろう。

これにて本日予定していた食べ歩きは終了。北上して新青森の営業所に車を無事返却出来たのは6時前。秋田から新青森までの長距離ドライブ、本当に無事でよかった。一安心だ。このまま新幹線で帰京する事も可能だったけど、せっかくの青森、一泊して明日帰ります。奥羽本線でひと駅、青森へ向った。

天中華史

「天中華」というものがある。天ぷらがのったラーメンのことだ。あまり知られていないが、九州・沖縄以外を除いて提供する店は日本各地に点在している。東北や中部地方に多いようだけど。よって「ご当地ラーメン」というものではない。なぜこの天ぷらラーメンが全国に点在しているのか?それを考えるとラーメンの黎明期が見えてくるような気がした。言っておくがこれから書くことは個人的な推測でしかない。

全国各地のラーメンを食べ歩いて各地にラーメン未満と言うような麺料理が存在した。我の定義ではラーメンにしてしまっているが、うどんやそばの汁の中に中華麺を入れたような存在だ。「鳥中華」@山形、「かけ中」@富山、「素ラーメン」@鳥取、「駅そば」@姫路、「中日」@高知赤岡etc…。これら全部が全部そうだという訳ではないが、内いくつかは「ラーメンへの憧れ」が生み出した一品だと思われるところがある。戦後東京へ出稼ぎに来た地方の労働者が初めて食べたラーメンという未知の食べ物に感動し、故郷に帰ってもその味を忘れられず、記憶を頼りにラーメン店を始める。或いはそういう人達から「東京にはラーメンという美味いものがあるんだよ!」と伝え聞いた人が憧れを抱いて、想像でラーメンを作ってみる。…何て事がバラエティ豊かな日本のご当地ラーメンを産んだ原動力だったのかも知れない。
またそんなラーメンへ強い憧れをもった人がそのまま料理経験者だったはずもなく、ラーメンへの渇望は身近な料理店に向けられる事になる。その身近な料理店とはどの町にもひとつはあったであろう蕎麦屋やうどん屋だったである事は簡単に推測できる。今でこそあまり見かけなくなったが昔の蕎麦屋には普通にラーメンやカレーがお品書きにあったものだ。「ラーメンは蕎麦屋で食べる」という事が普通の時代だった地域があったのだろう。蕎麦屋やうどん屋といえば天ぷらトッピングが普通にある。ならばラーメンに天ぷらがのったっていいじゃないかと考えるのは自然の流れだ。「天中華」或いは「天ぷらラーメン」を今も提供している店はほとんどが地方の、言い方は悪いが田舎の老舗そば屋やうどん屋だったりするのは、その名残りである事を示しているのだと思う。「天中華」はご当地ラーメンではないが、その誕生以前、ラーメンが全国に広まりを見せた最初の時代の「生きた化石」のような貴重な存在なのだと考える。
前置きが長くなったが、今回はその「天中華」の中でも最も有名な存在である青森県五所川原市の創業100年を越えるという老舗蕎麦屋、『亀乃家』の天中華だ。黒石市から車で約50分。五所川原の老舗蕎麦店と聞いたから木板で建てられた古い店舗を想像していたが、五所川原市中心部にある綺麗な店舗だった。聞けば4年前移転した新店舗らしい。内外装とも和を感じる綺麗な蕎麦屋さんだ。厨房には店主と思しき初老のおじさんと女店員の2人。厨房前に一列のカウンター5席、4人がけテーブル席3卓。先客はおばさんとお婆さんの2人…と思っていたら、蕎麦を食べ終わったらそのまま厨房に入っていった。店員が賄いを食べていたみたい。なので前後客ゼロ。口頭で注文。
150731kamenoya00 150731kamenoya01 そば処 亀乃家 『天中華』 700円
流石に筆頭ではなかったが看板メニューを注文。麺は中細縮れ麺。スープは豚骨と野菜から摂っているという蕎麦屋らしからぬ本格的な中華そば。と言っても青森だからって魚介出汁は入っていないっぽい。昔ながらの方。ややしょっぱめの正油スープ。具も天ぷら以外は薬味ネギ、細切りメンマ数本、さっぱりチャーシュー1枚とシンプル。そして天ぷらが凄かった。県産のホタテ貝柱のかき揚げ。沢山のホタテが入っている。我は好んで貝類を食べる方ではないのだが、このかき揚げは美味かったね。サクサクかつプリプリ。大満足です。

黒石地麺

時刻は午後1時をまわったあたり。ヴィッツは秋田自動車道から東北自動車道に入り北上、青森県へと入っていく。北秋田の難関店訪問を終え、これからは青森地麺巡りが幕を開ける。

我は今年6月自分の中でのラーメンの定義を決め、那須塩原の「スープ入り焼きそば」を訪問した。そうなると無視出来なくなるのが青森県黒石市の名物「つゆ焼きそば」だ。黒石では元々「黒石焼きそば」というご当地焼きそばがある。太い平打ち麺と甘辛いソースが特徴だ。一方「つゆ焼きそば」の方は、ラーメンの調理中、誤ってスープに焼きそばを入れてしまったのが始まりだという。中学校近くの店だったので中学生に人気になったのだとか。で、諸説あるのだが元祖を名乗っているのが『妙光』という店なのでそちらを狙った。昭和43年創業で、東青森に2号店を構えているらしい。黒石市に入ると町並みが古くて味わいのある建物がいっぱいあった。本当はゆっくり散歩でもしてみたかったが、後があるので断念。店前の駐車場に車を停める。ねぶた絵師でもある店主が描いた津軽凧が斜めにかかっていてお洒落な感じがする。早速入店。昔ながらのお食事処という雰囲気。厨房には初老の店主と思しき男の店員1人と女店員2人。5人がけテーブルと6人がけテーブルが各一卓づつ。更に座敷に5人テーブルが2卓。先客は店の子供達だろうか?座敷で4人ぐらいわいわい言いながら食べていた。後客はなし。口頭で注文。
150731myoukou00 150731myoukou02 150731myoukou01 お食事処 妙光 本店 『元祖つゆ焼きそば』 700円
筆頭看板メニューを注文。もうひとつの看板メニュー凧ラーメンもきになったけど。大きなすり鉢に入った一杯。麺は平打太麺。具は薬味ネギ、キャベツ、玉ネギ、ニンジン、ピーマン、豚肉の細切り、そして揚げ玉のカリガリ感が良いアクセント。スープの味はほぼウスターソース。味付けも結構濃いめだ。そのせいで完全に焼きそばの味が支配的な感じ。麺もかためでラーメン感はあまり感じられない。付け合せで出てきたきんぴらごぼうときゅうりの漬物が箸休めに良い。でも我は焼きそばも大好き。B級感丸出しといった感じで好感が持てた。

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