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2015年7月31日 (金)

能代地麺

150731jyuuhachiban04 全てはこの店の為に。その店の名は能代市にある『十八番』。創業は昭和43年。ラーメンを全国規模で食べ歩くような狂者には、その名は知れ渡っている。営業時間は朝11時から昼2時までの3時間のみ。定休日は水曜、土曜、日曜、祝日。つまり週末を含めた週休4日制を導入している。更に盆休みや正月休みも存在する。しかも場所は秋田から車で1時間以上かかる交通の便が悪い能代にある。横浜から能代に平日の昼に到着するには朝出発したら遅いので、前日秋田に前のりする必要が生じる。我のような勤め人にとっては「来るな!」と言われているのと同然だ。ただハードルが高いというだけなら他にいくらでもそういった店はある。この店は他では食べられないような個性ある一杯を提供しており、地元民に支持されている長い歴史という実績がある。行かなくてはいけない店なのだ。我の地麺巡りが一応の収束を見せようとしている段階になって、我の頭の中でこの店の名がチカチカと点滅し始めたのだ。

全てはこの店の為に。年明けに今年この店に行くという目標を定め、旅行の行程表を頭の中で作り、宿と車の手配をしたのは5月の連休前。休暇申請も何となく匂わせておいて早めに取得した。仕事のやりくりも必死に終われせた。何と言っても平日2連チャンで休むのは日本の会社においてなかなか難しいのが現状なのだ。更に言うと昨日の酒田&秋田への再訪ですら、この『十八番』へ訪問する為の前のりを有効に使った結果でしかなかったのだ。

ホテルを7時半過ぎにチェックアウトし、予め予約していたレンタカーの営業所に向かう。乗り慣れたヴィッツで今回はバックモニターも付いている。手続きをして8時過ぎには出発。秋田自動車道に入り北上すること約1時間、能代南ICで一般道に降り能代市中心部へ入っていく。店は普通の町中にあった。駐車場に車を停め店前に立ったのはまだ10時。開店予定時刻11時まで1時間もある。ちょうど製麺所の車が麺を運んでいるタイミングだった。入口の網戸前に立っていると店のおばちゃんが「中へどうぞー。まだだけどね。」と冷房中の店内に入れてくれた。10分後に注文を聞かれた。注文メニューの後に名前を言うのがこの店のルール。厨房には女の店員2人。先代が昨年亡くなり娘が店を引き継いだのだそうだ。4人がけテーブル席が4卓と座敷にテーブル席が3卓。但し座敷の方はふすまで仕切られて見えない。おそらく我が本日最初の客で後客は10人くらい。10時40分にはラーメンが到着。
150731jyuuhachiban00 150731jyuuhachiban01 150731jyuuhachiban02 十八番 『醤油(並)』 620円

遂に!遂にこの一杯を目のあたりにすることが出来た!全てはこの一杯の為に!今願いと努力が実を結んだ瞬間だ!丼はすり鉢。鍋谷製麺所が毎日卸しているという麺は、柔らかめに茹でられた強い縮れ細麺。ちょっとチキンラーメンの麺を連想させる。具は長ネギを刻んだ薬味ネギ、海苔1枚、チャーシュー2枚。メニューは塩も味噌もあるが筆頭の醤油を選択。一見普通の一杯に見えるが、表面に胡麻と一緒に摺り下ろされたピーナッツと丼の底に沈んだレモンが異彩を放つ。ややしょっぱめの醤油スープにレモンの酸味が強く出て独特の味になった上、ピーナッツの食感が加わり、確かに初めて食べる味わい。何気にチャーシューもやたら美味かった。「ああ今自分は『十八番』のラーメンを食べてるんだなあ…」とテンションが上がり汁一滴残さず完食した。もう残ったレモンの果肉もティッシュに包んで持って帰りたいと思ったほど。流石にそれはしなかったけど。日本最高レベルの難関店『十八番』訪問を達成出来た喜びにしばらく浸る事が出来た。

念願の『十八番』への訪問は達成したが、能代地麺巡りはまだ始まったばかり。この能代には他にはない個性を持ちつつハードルが高いという共通項を持つ店がまだまだあるのだ。電車で来ると3駅くらい東にある二ツ井駅近くにある『曙食堂』が正にそれ。珍しい馬肉チャーシューを使ったラーメンを出す事で有名。昭和24年創業。こちらも営業時間は昼の3時間のみ。定休火曜。『十八番』から車で40分ほど。店の近くに来たら何やら道路工事してるんだよ。やっとこさ駐車場を見つけて、工事現場の横を通って店前にいってみると…
150731akebonosyokudou00 150731akebonosyokudou02 曙食堂

…臨時休業。これはかなり、かなりショックだ。『十八番』に次いで今回の遠征で楽しみにしていた店だったのに!『十八番』訪問成功で浮かれていた気分に一気に水をかけられた気分だ。やはりこれほどの難関店が続く遠征を行っていればこういう事もありえる。諦めが肝心だ。気持ちを切り替える。まだ今日の食べ歩きは幕を開けたばかりだし、次も難関店が続くのだ。
能代市を後にし、北秋田市を横断し車で約1時間、大館市に入る。ここにも個性溢れるハードルの高い有名店が存在する。『佐藤中華そば楼byねぎぼうず』という店だ。駅からも遠く、こちらも昼の3時間のみの営業。ちょっと前まで土日定休だったが、今は一応定休は月曜のみになったという。店主は『十八番』出身で、以前は二ツ井で『ねぎぼうず』という屋号でやっていたそうだ。2008年こちらに移転してきたという。だから大館筆頭の店でも能代地麺という括りで良いのだ。そういえば町田の外れに『ねぎぼうず』という味噌をメインにしていた店があったと思うが関連性はあるのだろうか?店主は『大文字』出身と聞いていたから無関係なのかな?ともかく店に到着出来た。結構真新しい黒い三角の店構え。ちょうど昼時の到着だったので駐車場が満車でしばらく待って駐車した。早速入店。入口に券売機。厨房には男の店主1人と女の店員2人。厨房前に一列のカウンター5席、2人がけテーブル席7卓と4人がけテーブル席2卓。先客17人後客10人。大忙しらしくなかなか食券を取りに来てくれないので自ら厨房に提出した。
150731satouchyukasobarou00 150731satouchyukasobarou01 佐藤中華そば楼 byねぎぼうず
『みそ(並)』 780円

この店は正油や塩、その中間の中華そば等もあるが、筆頭は味噌となる。出てきた一杯は全然味噌ラーメンに見えない。麺は白い細麺ストレート。具は薬味ネギ、メンマ、海苔1枚、チャーシューが3枚。スープは澄んでおり、表面には胡麻とナッツが浮かんでいる事から見かけは塩ラーメンだ。比内地鶏から摂った出汁と魚介の出汁も合わせている独特の味わいのスープは口に入れた瞬間は塩スープ。ところが口の中に入れている間にレモンと酢の酸味が広がり、更に後味にしっかり白味噌の味わいが残る。驚きの口中三段階変化だ。更に胡麻とナッツの香ばしい食感も加わるのだから。この一杯以上に夏にピッタリの味噌ラーメンがあり得るだろうか。いや、あり得ない。評論家によって味変がもてはやされた時期もあったが、あれは作り手も食べる客も作為的に味変したものがほとんど。こちらは普通に食べていてこの三段階の味変が起こるのだから素晴らしい。それにしてもレモンの酸味がするラーメンがこれほど受け入れられているというのは、北秋田というのは面白い土地柄だ。秋田市とは全然違うんだね。大満足で店を後にした。
『曙食堂』の臨時休業を喰らったのは返す返すも悔しいが、この半年間思い焦がれた超難関店『十八番』と、同等レベルの難易度の『佐藤中華そば楼』という2つの店を訪問出来た事が嬉しい。そして各々物凄い個性的でなおかつ美味しい一杯だった事が嬉しかった。店の駐車場から車を発進させ秋田自動車道に入り秋田県を後にした。運転しながら「曙食堂は今回臨休を喰らったけど定休は火曜、しかも二ツ井駅から徒歩でも行けるから、何なら普通の土日を使ってもリベンジ出来るよなー」等と考えながら。え?

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