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2015年7月30日 (木)

酒田月系

夏真っ盛り。大遠征の季節が今年もやって来たという感じ。もう我の地麺巡りも終盤戦となったはずだったのに、今年は観光抜き、食べ歩きメインの史上最大規模の遠征を敢行する事になるとは我ながら思っていなかった。

もう5年も前の話になってしまうが山形遠征を行った。酒田(酒田ラーメン)新庄(とりもつラーメン)山形(冷やしラーメン)天童(鳥中華)赤湯(龍上海)米沢(米沢ラーメン)といった県内各地に伝わるご当地ラーメンをたった2日で廻ってしまうという、今思い返しても無謀な計画の遠征だった。過去の地麺巡りの中でも1,2を争うハードさだったと記憶している。それでも一応成功と言っていい結果を得て満足していた。でも小さな取りこぼしはあった。

150730sakata02 山形北西部庄内地方、日本海側に面した酒田市。ここには有名な地麺、酒田ラーメンがある。5年前は、今はなきラーメンの鬼として知られた『支那そばや』の佐野実氏が自家製麺に目覚めるきっかけとなったという名店『味龍』、そして山形ではカルト的支持を集める個性派の『ケンちゃんラーメン』本店の2店のみの訪問に留まってしまった(「酒田拉麺」参照)。本当は酒田ラーメンの本流「月系」と言われる系統の店にも訪問する予定だった。月系とは「満月」「新月」「三日月軒」など「月」を屋号に付けた店が多い事からその名が付いたと言われている。大きく分けて3つの系統があり、『港月食堂(閉店)』から続く「満月系」、『大来軒』から続く「大来軒系」、そこから分岐した勢力の「三日月軒」系からなる。詳しくは酒田駅に隣接された土産物屋に展示してあった酒田ラーメンの系譜が図示されたものを写真に撮ってきたのでここに掲載しておく。※写真をクリックすれば拡大

150730tukikei00 5年前未訪問に終わってしまった理由は、自転車で走り回っている内方向を見失って道に迷いタイムアップとなってしまったのだ。その要因は、真夏の酒田の暑さをナメていた事が大きい。東北だと思って油断していた。半ば脱水症状になってしまい正常に脳が作動する状態ではなくなってしまっていたのだ。今回も東北地方の梅雨明け宣言が昨日出されたばかりという真夏の遠征。無茶な事はしないで、月系に絞った食べ歩きを行う予定だ。それでも月系の代表的な3系統の店はひと通り訪問してみたい。

遠征ルートは5年前と全く同じ。6時8分東京発の上越新幹線に乗るため朝4時半には家を出発する早起きは三文の得コース。新幹線で終点新潟に到着後すぐに特急いなほ号に乗り換え日本海側を北上する。チケットは2週間前に購入済でぬかりなし。酒田に到着したのは10時48分。駅で無料レンタサイクル借用の手続きをして出発した。酒田の空は事前の予報とは違い曇り空になってしまった。でも5年前の酒田での強烈な照りつけを思い出せば、直射日光にさらされないで済むと考えれば良い。日焼けで後になって苦しめられるのも結構辛いものがあるからね。

まずは月系の中でも筆頭クラスと言われる『満月』を目指す。昭和35年創業。現在は2代目が仕切り、仙台に支店を出店している。川沿いを進み大通りに出たところに店を発見した。開店10分前に到着。既に待ち客が3人いた。名簿に名前を記入し待つ間に後客が続々やってきた。定刻に暖簾がかかり早速入店。厨房には二代目店主と女の店員6人。カウンター4席、4人がけテーブル席3卓。奥に座敷があり4人卓が5卓。先客3人後客22人…と思ったら外待ち客もいたようだ。口頭で注文。

150730shingetu00 150730shingetu02 ワンタンメンの満月 酒田本店 『ワンタンメン』 730円

ここの看板メニューはワンタンメンなのでそれを注文。付け合せに昆布が出された。これがなかなかいけた。4種類の小麦粉から作ったという中細縮れ麺。酒田ラーメンの特徴として各店舗で自家製麺を行うのが当たり前という事だ。具は薬味ネギ、メンマ数本、大きめのチャーシューが3枚、小ぶりのワンタンが8個入り。トビウオの焼干し、煮干、昆布の淡い魚介出汁が良い塩梅でじんわり効いた醤油スープ。美味いねえ。ああ日本のラーメンって感じ。ワンタンは餡の肉も小ぶりで具材や麺と一緒に食べてしまった為あまり印象に残らなかった。それでもこの魚介出汁と醤油の塩梅が絶妙なスープに惚れた。流石は酒田筆頭店。大満足で店を後にした。

150730mikazukikenhigashinakanokuchi 三日月軒 東中の口店

続いては月系の中でも暖簾分けの店が多く存在する『三日月軒』へ訪問。本店は既に無く、枝分かれした支店が酒田市内に幾つかあり、各々が独自進化しているという。中でも『満月』のすぐ近くにある東中の口店は知名度があり入店するか迷ってしまった。しかし我は老舗重視。昭和31年創業の支店1号店である中町店を狙い、市中心部に自転車を走らせた。早速入店。小ぢんまりとした、飾ることがない町のラーメン店といった佇まい。我好みのいい雰囲気だ。厨房には初老の三代目店主がいたが、調理を行っていたのはおばさんの方。もう一人おばさん店員がいた。カウンター6席、4人がけテーブル席3卓。我はカウンター席の隅に座った。先客4人後客1人。口頭で注文。

150730mikazukikennakamachi00 150730mikazukikennakamachi01 三日月軒 中町店 『中華そば 小』 550円

メニューは中華そば大・中・小のみ。連食では助かる小を注文。麺は鉄棒を足にかけて打つ桿麺(カムミェン)という技法で打たれた自家製中細縮れ麺。具は薬味ネギ、平メンマ数本、モモチャーシュー2枚というシンプルさ。スープはトビウオや昆布で出汁を摂っているそうだが、良くも悪くも昔ながらの正油ラーメンといった感じ。先の『満月』と比べると魚介出汁が弱く淡い正油の味わいが主体。でも厨房で交わされる山形弁の会話がいいBGMとなり、よい気持ちで食事が出来た。

さて最後は月の字を冠さない月系、『大来軒』の系統の店だ。こちらも暖簾分け支店展開しているらしいが、『三日月軒』同様、本店は平成15年に閉店してしまった。その本店の場所に居抜きで翌平成16年から営業しているのが、最後の弟子だったと言われる店主が切り盛りしている『大来軒』中央支店だ。駅前通りへ自転車を走らせ店に到着。無事暖簾がかかっていた。この店は開店直後に何らかの理由でしばらく休業状態だったせいか情報量が少なく、営業しているか不安だったのだ。早速入店。シンプルで飾らない店内。厨房には男の店員2人と女の店員1人。カウンター4席、4人がけテーブル席4卓。座敷に4人卓が2つ。先客6人後客ゼロ。先客は地元住民ばかりで雰囲気も飾り気ゼロで観光客相手の要素はなく地元密着型という感じが良い。口頭で注文。

150730dairaikenchyuou00 150730dairaikenchyuou01 大来軒 中央支店 『中華そば(小)』  550円

こちらも連食には嬉しい小も存在し50円引きしてくれる。しかしながら麺量は多く、普通の店では普通の量と変わらないように感じた。太さが不揃いでいかにも自家製麺という感じでよろしい。具は薬味ネギ、メンマ、薄く小さなチャーシュー2枚。透明度の高いスープは豚ガラ、豚の脂、煮干し、昆布から出汁を摂っているそうだ。こちらは醤油の味も出汁の味も強く感じた。『満月』ほど洗練されていない印象だが、個人的には逆にこちらの方が親しみを感じた。写真も美味そうな顔をよく捉えていると思っている。大満足だ。

わずか80分の間に代表的な月系三系統の店をひと通りまわる事が出来た。むしろ前回訪問出来ずに終わった事が、逆に酒田月系をより深く知るきっかけとなったという感じ。駅に戻り自転車を返却、土産物店で土産を物色する余裕もあった。わずか約2時間の滞在で山形酒田を後にし、次の目的地秋田を目指して羽越本線に乗り込む。まだ今回の東北・日本海側大遠征は始まったばかり。

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