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2013年12月28日 (土)

王様中華

先ほどあんな事を書いたにも関わらず、今年最後の遠征地は長野にした。蕎麦処として名を馳せている為か、ご当地ラーメン不毛の地である長野。固有のラーメンが無い。それは逆に東京のラーメンが流入し易い風土だったとも言え、東京の行列店並のスペックを持ったラーメン店が次々に開業する事になり、近年では東京に上陸する店も出始めた。でも我からすれば東京で食べられるようなラーメンをわざわざ長野まで行って食べる理由がない。味は特に関心がないのだから。それでも長野を選択したのは理由がある。近年の長野県のラーメン界の隆盛の牽引役となり、『気むずかし家』他数店舗を展開している塚田兼司という人物がいる。同氏は「信州麺友会」というものを立ち上げ長野県のラーメン店の結束を固める役を買って出る等、今や長野ラーメン界の中心人物と言っていい。そんな氏が昨年開催された「東京ラーメンショー」というイベントに参加した時の事。そのイベントのテーマが「ご当地再発見」だったそうで、ご当地ラーメンの無い長野代表として悩んだ中、長野市の老舗店だった『光蘭』のラーメンを思い出したのだそうだ。鶏ガラベースの醤油スープがなみなみと注がれた丼の中にメンマ、海苔、チャーシュー、中細縮れ麺、最大の特徴は強烈な黒胡椒と、長葱を直接丼に切り落とす「空中切り」と言われる葱のザン切り。ところがこの『光蘭』、半世紀続いた老舗店であったが2010年10月を持って既に閉店している。閉店時の模様を伝えるブログ記事を見てみたが、90人近い人達が別れを惜しみ行列したとあるので、本当にその土地に親しまれていた店だった事が判る。この『光蘭』のラーメンを、塚田氏はそのイベントで「王様中華そば」と名付け復活させ、その後も信州麺友会のコネクションで信州の新しいご当地ラーメンとして定着させようとしているのだそうだ。まるで上板橋の蒙古タンメンか、高知須崎の鍋焼きラーメンによく似た経緯だ。…そうなんだよなぁ。ご当地ラーメンって地元の人はあまりに日常過ぎて見落としてしまうんだよ。それで外部の人間に特異性を発見されたり、閉店となって初めて代替のない貴重な存在だった事を知る。まるで両親や友人のように。

前置きがかなり長くなったが、今回の目的は「王様中華そば」。単なる地元食材を使った町おこし系ラーメンではなく、その地の老舗ラーメン復元の味なので訪問してみる気になった。しかしながら食べたいラーメンは明確だけど、訪問するべき店が決まらないんだよ。なにせ元祖の店はもう無いのだし。とりあえず発起人である塚田氏が運営している代表店『気むずかし家』の店は行く事だけを決めて出発した。長野には11時10分前くらいに到着。前日の天気予報では寒波が厳しく、長野は曇りで午後時々雪という予報だったので、結構厚着をして行ったのだが、実際は雲は多いものの晴れ間がのぞく天候で、寒さも横浜とあまり変わらない気がした。

栄えている方とは逆の駅東口から徒歩8分くらいの場所にある『気むずかし家』に到着。黒く四角い外観の店だ。中は意外と狭くて、手前に4人がけテーブル席3卓と座敷に4人がけテーブル3卓、奥にカウンター3席と厨房があった。我は一番奥のカウンター席に案内された。厨房には店主と思しき若い男の店員と女の店員が2人。有名店と聞いていたが行列も無く我が最初の客だったようで先客ゼロ、だいぶ後で4人が来店した。口頭で注文。料金後払い。

Kimuzukashiya00 Kimuzukashiya02 頑固麺飯魂 気むずかし家

『王様中華そば』 700円

目的のメニューは正式なメニュー表にはのっておらず、壁の広告のみ。本気で定着させようと思っているのか疑問に感じた。平打気味の中細ストレート麺。具は噂のザンギリ葱と海苔1枚、スモークチャーシューが2枚。絵的にはこのスモークチャーシューが素朴感を奪っている印象がある。味は美味しかったけど。スープは普通の醤油味ではあるが、やはり強烈に黒胡椒が効いていて支配的。葱の食感も良く、黒胡椒の辛さも相まって体が温まる気がしたし、実際冬の長野にはぴったりな気がする。良いバランスで設計された一杯だと思う。でもやっぱり店内の雰囲気含め、老舗店好きの我からすれば違和感を感じた。『光蘭』で食べてみたかった。

次なんだけど、近くに老舗店らしいものがあれば良かったんだけど見つからなかった。東京っぽいラーメン店ばかり。だったら店を変えても同じこと。このまま長野ラーメン界の中心人物のフラッグシップ店で、今度は基本の味を確かめてみる事にした。しかし、追加でもう一杯注文するのは我でも恥ずかしかった。

Kimuzukashiya01 頑固麺飯魂 気むずかし家

『ラーメン』 650円

メニューには濃厚鶏白湯と紹介されている。麺は平打中太麺。具は薬味ネギ、メンマ数本、海苔1枚、鶏皮付きの鶏チャーシュー2枚。スープは鶏白湯というより魚介の味が強く出ている。なかなか濃厚なスープで美味しい。でも最初の一口で「どこかで食べた記憶があるぞ」と感じてしまった。木場の『麺屋吉左右』を思い出した。

さて今度こそ次の店へ。でも思い浮かばない。条件としては「王様中華そば」を提供している店。ということは「信州麺友会」加盟店となる。単純に一番上にあった『ゆいが総本店』という店に行ってみる事にした。総本店とか書いてあるし。ところがこの店電車の駅から遠い場所にあるので、バスに乗る必要がある。駅の反対側にあるバスターミナルに移動。その間何故か白人系の観光客を大勢見かけた。集団ではなく個人旅行っぽい感じ。スキー目的かな?1時間に1本のバスが来るのを待っている間土産物店に行き、おやき等の土産物を購入。ようやく来たバスに乗り20分くらいで店付近に到着。国道沿いに徒歩5分ぐらいのところで目的店を発見。こちらも真っ黒な箱みたいな店舗。早速入店。厨房は正面奥にあり店主と男の店員1人、女の店員1人。店主は長野ラーメン四天王の一人と言われているがけテーブル席2卓と8人がけテーブル席1卓。

Yuigasouhonten00 Yuigasouhonten02 ゆいが総本店 『夜鳴きそば』 800円

目的の「王様中華そば」を注文したら「当店では夜鳴きそばとなっております」と訂正された。定着させる気があるのならメニュー名を揃えて欲しかったなぁ。こちらも正式メニューに記載はなかった。やっぱり期間限定メニューみたいになって消えていくのかもなぁ。で出てきた一杯は丼が底の部分だけが筒みたいになった変な形のもの。麺はもちもちした中細ちぢれ麺。具はメンマ、ザンギリ葱、海苔1枚、炙りチャーシュー1枚。スープはコクのある醤油スープ。黒胡椒は若干効いていた。全てが最近っぽい一杯でご当地感は全く感じなかった。本当はこちらも基本のラーメンを連食しようと思っていたが、よくある魚介醤油ラーメンのようだし、ご当地ラーメンらしさが微塵も感じられずテンションも落ちてしまったので支払いを済ませ店を出た。

バスだと次が2時間後という絶望的な間隔があったので、1.3km以上離れているという駅まで歩いて行った。ローカル電車に乗り長野駅に戻ってきた後新幹線のホームにそのまま移動。ところが出発ホームを間違えて、それに気づいたのは発車ベルが鳴った時!急いで隣のホームからダッシュし何とか乗り込む事が出来た。帰りは自由席だったが座れた。家には18時前には戻る事が出来た。

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